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組織の成長・変革:本当に日本人は生産性が低い民族なのか?

 

最近、「日本企業は生産性を向上させなければならない」と言う話題を耳にすることが多くなりました。たしかに海外トップクラスの企業と比較して、時には平均的海外企業と比較して日本企業は生産性が低いとのデータも出ているようです。 ITを導入することで問題を解決しようとする活動も存在します。たしかに意味はあると思います。 また、生産性を上げるための(学校)教育についても検討がはじめられています。 教育制度が改革されるのであれば、是非改革して頂きたいと思います。

ところで、そもそも日本人は生産性の低い民族なのでしょうか? または、日本人は創造性が劣った民族なのでしょうか? 私はそのように考えたことがありません。

ネット上で日本の企業内(製造業)における「大名行列」の話題を目にしました。
ここで「大名行列」とは社長をはじめとする経営幹部が現場(工場、支社店、営業所)などを視察する際に、「経営幹部の後ろを関係者がぞろぞろとついてまわる様子」をコミカルに揶揄したものです。 一部の方にとっては不思議な光景かもしれませんが、伝統ある大手企業において大名行列は珍しいものではないでしょう。 また製造業に限らず、多くの業種で大名行列的習慣が行われていると思います。
大名行列に限らず奇妙な風習は日本の企業(製造業、金融業、サービス業、etc.)の中に存在しているようです。たとえば、
 ・経営幹部と一般従業員との対話会が企画されると想定問答集が作られ、一般従業員は問答集を事前に勉強しなければならない
 ・経営幹部が現場の意見を聞くために社員食堂で昼食を取ると、社員食堂は若手女性社員や素直な男性社員が幹部の近くで食事をするように指示される
などなど、まるで冗談のような話の数々を耳にします。 

これらの職場では特別なイベントだけではなく、日常的業務においてもムダな作業に多くの時間を費やしていることは想像に難くありません。
このような数々の奇妙な習慣が職場にあるならば、その職場で生産性が向上しないのは当たり前ではないでしょうか? そして社内の多くの人たち(幹部も管理職も)はこのような光景に慣れてしまい、何の疑問もなくこれらの習慣は継続されてしまうのです。 問題があっても、「問題を問題だと思えないマインド」のままでは長時間労働でノルマをこなすことになるのは当たり前です。
生産性を向上させるための課題は数限りなく存在します。しかし、課題は個人の能力だけではありません。組織の価値観や意志決定の仕組みにも重要な課題が存在します。

異常値に素早く気がつくことが生産性向上には最低限必要です。
改善・変革には現実を正しく認識する力(マインド)は必須です。 そのためにも日々の作業・生活をふり返り、自分たちが「何をしているのか」を正確に評価する習慣を持ちましょう。そして自由に「気になっていること」を話し合い、新しいことに挑戦する「空気」を職場に作りましょう。
「ガス抜く(不満を発言すること)」をするだけではいくら話し合っても職場は良くなりません。そして、身近に相談できる先達(ロールモデル、メンター、コーチ)を見つけましょう。 先達の言葉は姿見です。


問題を抱え込まず、「みんなで解決」して行きましょう。
日本人と日本企業の成長・変革はこれからが本番です。がんばりましょう!

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
http://innovation-labo.com/