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会社・職場を良くするコーチング: 脱炭素社会とビジネスマインド

最近、日本国内でも脱炭素社会に関わるニュースが報道される機会が増えました。 たとえば、NHKテレビで2017年12月17日(日)に脱炭素社会とビジネスに関わる特集番組が放送され、一部で話題となったようです。
私は脱炭素戦略の専門家ではありませんが、脱炭素社会への企業の取り組みはグローバルビジネスを考える際に重要です。そこから、各企業のビジネスマインドの一端を知ることもできるのです。

グローバルビジネスを展開する日本企業(特に、製造業)で脱炭素(低炭素)が大きく注目されるきっかけは、2015年にパリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に採択された「パリ協定」でしょう。 2010年代に入り海外市場に対応する製造業では炭素排出量を抑えるための取り組みを強化し、従業員教育なども展開しています。 ただ、そのスタンスは「炭素の排出量が制限されたので、我が社もそれに対応しなければならなくなりました」と言うような受け身の姿勢が主流でした。 「脱炭素」ではなく、「低炭素」を目標にした活動が主流です。

一方、海外企業では「脱炭素」をビジネスのトレンドとして戦略策定する動きが進みました。 その結果、米ウォルマートは省エネ活動で1000億円以上を節約したと表明していますし、金融機関は投資対象として「脱炭素対応」に着目するようになりました。 「脱炭素」が市場への強いアピールポイントとなったのです。 脱炭素を進めることが利益になると「定義した」のです。 (海外のビジネスニュースでも2016年頃から脱炭素関係のニュースが増えたようです。 異常気象による大きな被害が影響しているのかもしれません。)
今後数年で脱炭素化に消極的な企業はグローバルなバリューチェーンから脱落する可能性が高いでしょう。 「仲間はずれ」となり、「ビジネスが出来なくなる」ことを意味します。

2017年のCOP23では日本は脱炭素化へは消極的であると評価されているようです。 各企業が既存のビジネスモデルや研究開発投資を有効活用したいと考えた結果でしょう。 また、電力会社などの戦略も大きく関係していると思われます。
もちろん、地球温暖化に対する考え方や代替エネルギー技術の課題について色々な議論が存在します。 しかしビジネストレンドとして市場が大きく動き始めた以上、その変化に対応することが生き残りの条件です。

多くの国内企業が「イノベーション」を声高に叫びます。ただ、結果として実行が伴わないのは
 ・市場(外部)に対する感度が鈍く
 ・変化をチャンスではなく、リスクと捉える
と言う傾向があるからです。 企業のビジネスマインドがイノベーションを拒否してしまうのです。 過去の成功の結果、守るものが増えすぎたのかもしれません。 ただ、そのビジネスマインドは変化の大きな時代にネガティブに機能する可能性が高いことを忘れてはなりません。
「市場の変化はビジネスチャンス」と考えることでイノベーションは起こります。 (市場が変化しなければ、イノベーションの必要はありません。 IMPROVEMENTで十分に対応できるはずです。)
常に顧客・市場に強い関心を持つ姿勢は、企業の存続にとって必須であることを忘れてはなりません。

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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