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「見える化」を「職場の嫌われ者」から「ヒーロー」にする【職場改善、改善活動、イノベーション】
  作業遅れ、品質不良、問題解決のために

会社・組織の仕事を良くする(改善する)切り札は「見える化」です。
しかし、見える化を導入した職場で社員に拒否反応が出たり、やる気を失ってしまうケースは珍しくありません。
  なぜ、「見える化」は嫌われるのでしょうか?
  そして、どうすれば職場は良くなるのでしょうか?

生産性向上が多くの職場で求められています。
 会社、役所、学校、病院など全ての組織で求められています。
 工場の製造現場だけではなく、設計・開発、営業、専門業務、スタッフ業務など全て職種に関係します。

日本では、工場の製造現場では生産性を上げるための「改善活動」が熱心に行われている歴史があると言われています。
(個別に色々な実態が存在します。)

最近、オフィス業務(ホワイトカラー業務)の生産性向上ブームも再燃しています。
 「働き方改革」の影響も大きく影響しているでしょう。

そして、経営者から営業活動やスタッフ業務(総務、経理、他)などの生産性を上げることも求められています。

多くの書籍や他社見学、コンサルタントなどの助言でオフィス業務を含めて見える化を進めている会社もあるようです。
確かに、改善活動において見える化は大切な活動です

「見える化(可視化)」は、職場の中で業務がどの程度進んでいるか(進捗しているか)を数字やグラフ、装置などで分かりやすく示そうとする活動です。

日本発祥の「トヨタ流改善活動」やISO9000シリーズ、 CMMIなどの品質改善活動・品質改善モデルでも見える化は重視されています。
また、ソフトウェア開発の世界で有名な「アジャイル開発」でも独自の方法で開発現場の見える化を進めています。

しかし理想と現実は異なり、見える化の導入に失敗したり、 導入したけれど職場のやる気が失われてしまったりするケースも珍しくありません。

そのような職場では、「見える化」は職場の嫌われ者です。
 もちろん、「監視される」と思うと気持ち良くはありません。
それにしても、なぜこれほどまでに見える化は嫌われるのでしょうか?

その理由のひとつは、見える化が「労働強化」につながるのではないかと言う恐怖心・不安があるからです。
見える化の結果として、作業量が増加するのではないかと考えるからです。
 生産性向上はムダをなくすことではなく、「同じ成果を少ない時間、少ない人数で出すこと」と捉えると労働強化の道具になるのではないかと心配する気持ちは分かります。

また、見える化を定着させるための支援をしないケースも存在します。
 たとえば、データを記録する手間が必要であったり、新しい仕事の仕方を覚えたりする時間が必要です。
そのためのトレーニングやサポートしてくれる人が存在しなければ、「忙しいのに面倒な仕事が増えた」と嫌な気持ちになるのは当然です。

さらに、見える化がされても「何も改善されない」と思えば協力する気持ちになりません。
見える化の結果が、担当者が経営幹部や管理職に現状を報告するためだけに使われている職場も珍しくありません。
それでは、職場の人たちに「何も良いことがありません」。

見える化はそれ自体では改善効果はありません。
見える化された結果を使って職場を良くするための話し合いをしたり、根拠を示すための道具です

だからこそ、『具体的にどのようになりたいか?』と言う目標を設定し、そのために見える化を進めるのだと関係者全員で合意することが大切なのです。
 ・職場の人たちが自分たちの職場を良くするために見える化する
 ・リーダーや経営幹部が正しいマネジメントをするために見える化する
 ・その結果がどうなったかを関係者で共有する

それが見える化を嫌われ者からヒーローに変身させるためポイントです。

このように見える化された結果を利用することが出来れば、
 ・あの人の能力が低いから私たちが迷惑する
 ・あの人の仕事の仕方が気にくわない
 ・私ばかりが損をしている
などの感情論で職場の雰囲気を悪くすることがなくなります

見える化が進めば、改善が進むのです。

関係者で話し合い(コミュニケーション)のための材料(共通言語)を作るために、見える化(可視化)の活動を上手に実践しましょう。


うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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