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思い込みで介護崩壊しないための心構え【マインド・セット、支援、介護離職】

介護の問題はこれからの社会・会社に大きな影響を及ぼしています。
この問題が難しいのは、「思い込み(マインド・コントロール)」によって多くの方が冷静な判断ができなくなることです。

先日も、家庭での介護問題が離婚・家庭崩壊につながりそうな事件に遭遇しました。

Aさんは女性ソフトウェア技術者です。
大学院で数学を学んだ理知的な方でした。

ご主人と、娘さん2人の4人で安定した生活していました。
ところがある日、お母さま(Bさん)が突然に体調を崩して入院したのです。

入院生活は2週間程度でしたが、退院の頃お母さまは体力低下だけではなく、急激に「周りのことが分からなくなっていった」のです(痴呆症状)。
 実は、入院時に医師は「お年寄りが入院すると色々なリスクがあります」とつぶやいていました。
 Aさんは、その言葉の意味を深く考えることはありませんでした。

それまでお母さまBさんは、Aさん宅から電車で30分ほど離れたところにひとりで生活していました。
ひとりでの生活は不安だと思ったAさんはBさんを説得し、Aさん宅で一緒に生活する事にしました。
娘さんたちも、「おばあちゃんと一緒に住みたい」と同居を希望してくれました。
ご主人も同居に前向きでした。

しかしお母さまBさんの「周りのことが分からなくなる」症状は急激に進み、Aさん一家の生活にも無遠慮に介入するようになりました。

受験期だった娘さんたちとの関係も悪化し、娘さんたちの帰宅時間が遅くなり始めました。
そして、娘さんたちの成績は低下がはじまったのです。

仕事で残業の多いご主人とのコミュニケーションも不調となり、Aさんは家庭崩壊の危機を感じるようになりました。
そして、会社と自宅での家事、そして介護の全てを完璧に行いたいAさんは退職(介護離職)を考えるようになりました。
退職して専念すれば、「もっと状況は良くなるはず」と考えたのです。

Aさんのようなケースは増えています。

Aさんの会社では、介護に対する支援制度を運用していました。
しかし若い人が多い職場であり、Aさんは上司や同僚から「冷たい視線」を感じていたようです。

ところで、Aさんのケースで問題を難しくしていたのは
  自分の親の面倒は、自分が見る
と言う信念でした。

結果的に、Aさんは自治体や会社などの周囲に支援を求めることを「感情的」に躊躇しました。
家族とも冷静に話し合うことができませんでした。

自分の信念や正義感が障害となり、冷静に判断ができないケースは珍しくありません。
それは親の介護問題に限らず、多くの場面で私たちを苦しめます。
【全ての社会生活においてのリスクです。】

たとえば、会社の上司や同僚から「冷たい目で見られている」とAさんが「感じた」ことは間違いことですが、上司や同僚の(本当の)意図は分かりません。
そのような認識を前提として正しい判断ができるかどうかは全く未知数です。

家庭の安定・安心は、仕事のパフォーマンスにも大きく影響します。
「家庭の幸せを作る」と言う基本的なことについて誤った判断をする可能性さえあるのです。

だからこそ「緊急事態」となる前の段階から、それぞれの専門家と対話し、準備することが大切です。
それは、日常生活を送る上でのリスク管理です。

準備なく緊急事態となれば、適切な意志決定や高いパフォーマンスは出すことができません。
事前準備の質は行動(パフォーマンス)の質を決定します。
今日とは違う明日が来るかもしれません。

各分野の専門家と相談することは恥ではありません。
常に、リスクへの準備を徹底しましょう。

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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〒170-6045 東京都豊島区東池袋3−1−1 サンシャイン60 45階
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