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大谷翔平選手のゴミ拾いとコンフォートゾーンの作り方
【大谷翔平、コンフォートゾーン、RAS、パフォーマンス、コーチング】

私がコーポレート・コーチとしてリーダーのみなさんと対話する際には、アナロジー(たとえ、類推)としてビジネスリーダーやスポーツ選手を話題にすることがあります。

私たちには、世界で活躍する人物の思考や行動から学ぶこと数多く存在します。
 その意味で、大リーグに挑戦している大谷翔平選手は現在最適な人物のひとりでしょう。

 大谷選手の行動には、私たちのブリーフシステム(信念)に強く訴えかけるものがあります。

 ブリーフシステム(信念)は世界観を作り、意識を決め、行動を促します。

  「あなたの考え方は変えた方が良いですよ」と直接的に相手に提案することは生産的ではありません。

  ブリーフシステムは、本人が心から得心した時に変わるからです(腹落ちが必要)。
  教室で学んだ「よい話」を実務で活かすことができない原因のひとつは、ブリーフシステムの存在です。

 大谷翔平選手の行動から、成功へ導く鍵を学びましょう。

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東洋経済ONLINEに

 メジャーの大舞台で「ゴミ」を拾った大谷翔平
  (https://toyokeizai.net/articles/-/216939)

と言う記事が掲載されていました。

現地時間4月11日のレンジャーズ戦でのことです。
 この試合では、大谷選手がマーティンのピックオフプレー(走者をターゲットにしてアウトを奪うプレー)でアウトになったことが大きなニュースとなりました。

 しかし、この記事では

   大谷選手が一塁ベースに足をかけながら、
   手を伸ばしてファウルラインの内側に落ちていたゴミを拾い、
   ファウルゾーンに投げた姿

 に注目しています。

 記事によると、米大リーグのベンチ周辺では、

   選手の足元には食べた後のヒマワリの種のカスや、
   スポーツドリンクの紙コップなどが散乱している

 ことが当たり前なのだそうです。

 その光景は、多くの日本人の価値観では「ふさわしくありません」。

ただ、少なくとも現段階で大谷翔平選手は米大リーグに「当たり前」には染まっていないようです。
 「朱に交われば赤くなる」と言う慣用句とは異なる選択をしていることがわかります。
  確立した自分のブリーフシステムの中で行動しているのです。

私はこの記事を読んだ際に、読売巨人軍時代の王貞治選手のことを思い出しました。

 日本を代表するホームランバッターである王選手は、現役当時「場内乱闘」にはほとんど加わることがなかった選手です。

  王選手が関わったとされる乱闘は、昭和43年9月18日の巨人阪神戦で王選手に対する危険な投球があった時のみと報道されています。(王選手自身は、投手に歩み寄った<詰め寄った>だけです。)

 当時の日本プロ野球では、乱闘がはじまると全員がベンチから飛び出す「空気」が支配していたと言われています。

 王選手には、「その場の空気」に支配されない強い信念や自覚があったのでしょう。

 大谷翔平選手も大きな目標に向かう信念や自覚があり、「その場の空気」には支配されていないのです。

目標達成に向けたマインドセットに話を戻します。

脳にはRAS(Reticular Activating System)と呼ばれる機能が備わっています。
  (RASは、「網様体賦活系(もうようたいふかつけい)」と翻訳されています。)

 人間の脳は、五感が受け取る全ての情報を認知することができません。

  RASは、脳が受け取るべき情報かどうかの取捨選択を担っています。

  つまり、

   目標(ゴール)を設定した時に、
    目標達成のために大切な情報が脳に伝わるのです。

 目標達成に関係のない情報は、「脳にとっては、『ないもの』と同じ」になります。

  RASによって選択された情報空間はコンフォートゾーンと呼ばれています。
   コンフォートゾーンの中で、人は高いパフォーマンスを出すことができます。

 王選手も、大谷選手も、自分が設定した目標と関係が情報には無関心なのです。
  それは、意味のないストレスに悩まされることが少ないことも意味します。

 成功する人たちは、

  ・自分の目標達成に意味があることだけに取り組み、
  ・意味がないことには関心を持ちません。

 だからこそ、コンフォートゾーンの中で高いパフォーマンスを発揮できるのです。
   限られた時間や資源の中で成功することができるのです。

私がコーチングを実施する際も、

 リーダーには、
  「目標を設定」してもらい、その「目標にリアリティを持つ」こと
 をお手伝いしています。

 目標にリアリティが出ればRASが機能し、リーダーの目標達成にとって価値のない情報は無視されます。
  結果的に、リーダーはコンフォートゾーンの中で目標に近づいて行くことができます。

私たちが成功するためには、
  ・目標を設定し、
   ・RASを機能させ、
    ・ふさわしいコンフォートゾーンの中で活動すること
です。

 これは、全てのリーダーやビジネスパーソンに当てはまる成功の原理原則です。
  ほとんどのコーポレート・コーチはこの原理を活用し、リーダーをサポートします。

 みなさんが効果的なコンフォートゾーンを作り、個人や組織の成功を手に入れることを祈っています。

うつみ まさき
(内海 正樹)
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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