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原発への津波は切迫性なし?リーダーがビジネスリスクを理解するには
【リスク、RAS、リーダー、目標設定、コーチング】

ビジネスをするために、リスクテイクが必要であると言われます。
 しかしリスクマネジメントができず、深刻なダメージとなる場合が少なくありません。
 時には、コンプライアンス違反に直結することにもなります。

 当事者は、科学的・合理的に意志決定し、行動していると思っていても、第3者から見ると「大きな過ち」を犯している場合も少なくありません。

 なぜ、多くの優秀な人物が間違いを犯すのでしょうか?
 どうすれば正しく行動し、大きな成果を上げることができるのでしょうか?

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2018年4月17日に東京地裁で開かれた東京電力福島第1原発事故関係の裁判が開かれました。
その中で、事故前に第1原発の津波対策に携わった東電社員が
 津波対策は必要と思っていたが、原子炉を止めるほどの
 切迫性は感じていなかった
と証言したとの報道がありました。
  対策担当東電社員…津波「切迫性なかった」 原発事故強制起訴
   (http://www.minyu-net.com/news/news/FM20180418-262322.php)

 この社員は、2008年に、
  最大15.7メートルの津波が第1原発の敷地南側を襲う
  との計算結果を武藤栄元副社長(67)に報告していた人物です

そして、社員は
  ・津波の発生頻度を計算するのに必要な過去の大地震の
   記録がなかった。(発生確率が計算できない)
  ・津波対策は必要と思っていたが、原子炉を止めるほどの
   切迫性は感じていなかった。
 と証言したとのことです。

 一方で、ネット上では原子力発電所の重要性・重大性から考えて「明らかな判断ミス」「責任逃れ」などの批判も存在します。

 今後、法津にもとづいた判断が裁判所で行われることになるでしょう。

この裁判での証言に限らず、
  データが存在しなかったので、判断できなかった
と言う証言は頻繁に耳にします。
 ある意味では、「合理的」です。

 しかし、「データがないからこそ、その段階でより深く検討をする」と言う選択肢も理論的には存在したはずです。

 「切迫性がない」と判断した背景には、そのような判断をさせる背景があったのかもしれません。

多くの「事故」「失敗」のなどの問題分析を見ると、当事者は「合理的に考えた結果として失敗しました」と証言していることに気がつきます。

 典型的なものとしては、「上司の指示に従った」結果として失敗したと言う証言です。

 極端な事例ですが、ナチス・ドイツで大量のユダヤ人を強制収容所に送ったアドルフ・アイヒマンは、「上司の命令と規則に従い、合理的に判断した結果」として多くのユダヤ人を殺害しました。
   『エルサレムのアイヒマン』
     ハンナ・アーレント (著) みすず書房

 また組織の中には、「その組織の空気」が存在します。
 組織の中で生きるためには、「場の空気を読むこと」「同調圧力に従うこと」が重要視されます。
  ~空気が読めない人材を排除する組織は珍しくありません。~

大企業や官僚機構の問題行動のため、多くの人たちが企業や行政機関への信頼を失いつつあります。

 ただし、当事者は「何が間違いだったのか」「どこで間違ったのか」が分からず、問題をより深刻にしています。
   たとえば、『東芝の悲劇』
         大鹿 靖明 (著)  幻冬舎

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人間の脳にはRAS(Reticular Activating System)と呼ばれる機能が備わっています。
  (RASは、「網様体賦活系(もうようたいふかつけい)」と翻訳されています。)
  RASは、脳が受け取るべき情報かどうかの取捨選択を担っています。
    『ブレイン・プログラミング』
      アラン・ピーズ (著)  サンマーク出版

事実関係は記事では分かりません。 仮定の話ですが、東京電力が
   「原子力発電所を稼働させること」を最重要目標に設定し
   組織・社員にも、その意志が徹底されていたならば
 東電社員は、原子力発電所のリスクとして津波や地震の影響を無意識に過小評価するかもしれません。
 東電経営者も、リスクを理解できないでしょう。
  (東電の目標に合致せず、RASが重要な情報でも選択しないからです。)

人が成功するためには(大きな失敗をしないためには)、適切な目標設定が必要です。

 目標が設定されれば、RASによって必要な情報が選択され、意志決定・行動されます。

  不適切な目標を設定すれば考慮されるべきリスクが見えなくなり、結果的に被害が出ます。
  合理的・ルール通りに意志決定をしているかどうかの問題ではありません。
  リーダーが目標設定を間違えれば、組織は大きなダメージを受けます。

だからこそ、リーダーは正しく目標設定しなくてはなりません。
 リーダーは適宜自分の行動をふり返り、周囲に自分の行動を確認する環境を作るべきなのです。

 他者の客観的な意見を冷静に耳にすることで、自分では気かつくことができなかった発見があるかもしれません。
  職場の中に羅針盤となる仲間を持ちましょう。
  職場の外に、コーチやメンターを持ってみるのも良いでしょう。
 ~コーチはリーダーの目標設定を支援し、モチベーションを向上させる技術を持っています。~

 過ちを未然に防ぎ、成功を手に入れましょう。
 あなたとあなたの仲間を成功させましょう。

うつみ まさき
(内海 正樹)
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
〒170-6045 東京都豊島区東池袋3−1−1 サンシャイン60 45階
~無料の個別相談をホームページから受け付けています~