Pocket

仕事の仕組みとイノベーション(変革):会社・職場成長の鍵は教育(トレーニング)である

会社・職場を改善・改革する活動を進める際には、いくつかの分水嶺や試金石が存在します。 それを適切に乗り越えることが「できるか」「できないか」によって、活動がどの程度の成果を出すことができるかが決まります。 

非常に大きなポイントは職場教育(トレーニング)です。
私はコーポレート・コーチとして多くの従業員教育、職場教育に関わって来ました。 教育が改善・変革活動の要であると実感しています。

多くの会社・職場では教育(トレーニング)の効果を低く見積もっているようです。 「大人になったら人は考え方を変えることが出来ない」と多くの経営者や管理職の人たちは考えているようです。 また、業務命令を出せば「従業員はその通りに熱心に仕事をするもの」と考えている人もいます(面倒には関わりたくないため、そのように信じたいだけなのかもしれません)。 人間は機械ではありません。 大人の知性も進化・成長が可能です(社会心理学では可塑性と呼ばれています)。

繰り返しとなりますが、教育(トレーニング)を失敗すれば改善・改革の活動は失敗します。
ところで、教育は経営層や管理職、リーダークラスのみに実施すればよいと勘違いされていることも珍しくありません。 また職場の代表者が教育を受講し、それを職場メンバーに展開すれば良いと考えられている場合もあります。 たしかに利用していたツールの仕様が少し変更になった場合や、職場のルールの部分的変更を説明するだけならば職場の代表者が教育を受講し、それを展開すれば十分かもしれません。 しかし、改善・改革の活動のための教育では従業員の「仕事に対する姿勢」「考え方」を進化させる必要があります。 このような場合は、原則として職場の全員教育が必要です。特に、ホワイトカラーの職場、知識集約型の職種では全員教育が重要です。

教育開催日を複数設定しても「業務の都合で出席できません」と欠席連絡を受ける場合があります。 もし、恒常的な特定の個人に負荷が集中している場合には至急対策を検討し、改善する必要があります。 特定の個人に負荷が集中していることが「仕方がない」と諦める職場ではとても深刻な問題を発生させるリスクを持っています。 何らかの大きな問題を発生させます。 多くの場合に、そのような職場の風土は改善に時間が必要です。

なお、効率化のためにeラーニングが導入されている場合もあるかもしれません。eラーニングは受講者情報・履歴管理など教育事務局には好都合なシステムです。 簡単なツールの使い方などの教育には効果的です。 しかし、従業員の考え方などに関わるトレーニングでは質疑応答があることが成功の鍵です。 逆に言うならば、質疑のない教育はほとんど効果を発揮しません。 eラーニングではリアルタイムに質疑応答が出来ません。 また、受講者間でのグループディスカッションも効果的です。 職場の人たちとの一体感や違和感を感じることが集合教育では重要です。 

自分の意見を述べ、人の考えを聞き、共感や熟考をすることで内省がはじまります。 内省が起こるからこそ、習慣が変わるきっかけを作ることができるのです

以上のような教育(トレーニング)を実施するためには、職場の中に講師にふさわしいスキルを持った人材を育成することが望まれます。 教育は組織が進化する要なのです。 中長期の視点でしっかりと人材育成することが会社・職場を進化させる要諦です。 成長のために、中長期の視点で計画を立て、実行しましょう。 教育と言う王道をしっかりと歩みましょう。

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
無料の個別相談をホームページから受け付けています