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仕事の仕組みとイノベーション(変革):組織の改善・変革が暴力的であってはならない

組織の変革とは既存システムをいちどは壊し、新しいシステムを作り上げるプロセスです。
つまり、
 ・目標のイメージを作り、そのシステムを設計し
 ・既存システムを壊し
 ・新しいシステムを作り、マネジメントする
と言う工程(プロセス)によって実現されます。

既存のシステムを壊す工程はある意味ではとてもダイナミックであり、多くのリーダーはそこに魅了されます。 この工程は「勢い」が必要です。

一方で、新しいシステムを作り、マネジメントするためには冷静な知性が必要です。
組織の変革では「新しいシステムを作り、マネジメントする」工程で失敗することが大変に多いのです。
多くのリーダーは成果を急ぎ、理想を追いかけるからです。

ステークホルダーが変化に追従できない際に、そのようなリーダーは暴力・過激的な手段で目的を達成しようとします。 たとえば会議の場で怒号が響きます。 たとえば会社の中で報復人事などが実行されます。 すると、自由闊達な話し合いができなくなってしまいます。 衆知を集めることができなくなります。

今から約100年前にレーニンは「地上のユートピア実現」を目標に掲げましたが、反対勢力を残虐な暴力で制圧しました。 ちょうど、ヒトラーがユダヤ人を弾圧した事件に匹敵する歴史的な暴力事件を引き起こしました。 その結果、地上のユートピアは実現しませんでした。

目的のために手段を選ばない多くのリーダーたちは、急進的・過激な手段の行使に魅力を感じたリーダーです。 成果を急ぐあまり、中長期に渡る組織的な生産性向上が実現できません。 ステークホルダーの協力が得られないからです。

組織の改善・変革を達成するためには、実現のプロセスにこそ意味が存在します。 なぜならば、改善・変革のプロセスは人材育成プロセスそのものだからです。
人が育つプロセスこそが改善・変革のプロセスです。

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
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