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発想の飛躍、コペルニクス的転回は「イメージできるかどうか」
【危機突破、組織改善、個人の飛躍、リアリティ、コーチング】

こんにちは。

コーポレート・コーチの内海正樹です。
  私は、マインド・マネジメントによる売上げ・品質、メンバーの達成感の向上に貢献するため
   ・リーダーのみなさんへのコーチング(マインドセットのサポート)や、
   ・組織メンバーのみなさんへの
    コミュニケーション/ファシリテーションなどのトレーニング講師
  をしています。  

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コーポレート・コーチの使命は、組織を飛躍させることです。
 現状を改善するとともに、その先にある新しい未来を作ることです。
 それには、コペルニクス的転回が必要です。

 そのために必要なことは、情報や知識、論理的思考と同時にイメージ力(情動が動くこと)です。
  現状を延長するだけでは、急激な時代の変化に取り残されてしまいます。

 コーポレート・コーチは、「リーダーとの対話」によって新しい未来作りをサポートします。
  対話が新しい未来のイメージを作り上げていくからです。

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吉野源三郎の児童文学『君たちはどう生きるか』が話題となっています。

 初版は、第二次世界大戦前の1937年。
 時代は満州事変が勃発する頃で、日本が軍国主義への歩みを早めている時代です。
 
 『君たちはどう生きるか』は「日本少国民文庫」の一冊として発行されました。
 著者 吉野源三郎の意図は、子どもたちが国家や社会からマインドコントロールされることなく、「自分の頭で考える人(自律した人間)」に育つことであったと言われています。

 主人公は15歳の「コペル君」。
 “コペル”と言うあだ名はコペルニクスに由来しています。

  銀座のデパートの屋上から暗い冬の海のような東京の街を見下ろした時、
  東京の街に暮らす無数の人々をイメージすることで、
  自分を社会と繋がりのある世の中の「部分」と考えるようになったのです。

  まさに家庭・親類と学校の範囲で思考していたコペル君にとって、天動説から地動説に変わるようなコペルニクス的転回が起きたのです。

 コペルニクス的転回を経験したコペル君は「めまい」を感じます。

 思考が飛躍的に遷移する時、人の情動は大きく動きます。
  身体的に、大きく反応します

 コペル君の銀座でのエピソードは、彼の大きな成長を良く表現しています。

  私も小学生当時に同じような経験をしました。
  はじめて都会のデパートにひとりで買い物に出かけた時、自分とは無関係の多くの他人の中に自分が存在することを強く自覚しました。
  私も「身体が震えた」ことを覚えています。

  その後、私も考え方や関心事が大きく変化して行きました。
  私も社会を意識するようになりました。

 新しい知性(コペルニクス的転回)は、論理的思考と身体的なイメージの協調からはじまります。

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さて、最近企業や組織の「謝罪会見」が大きなニュースとなっています。

 全国紙5紙(朝日、毎日、読売、産経、日経)を対象に「企業」と「不祥事」が含まれる記事の件数を調べてみたところ、2013年と比べて2016年は約1.4倍になっているそうです。
  http://www.sjnk-rm.co.jp/publications/column/2017/1221.html

たとえば、2018年に入ってから宇部興産、三菱マテリアル、神戸製鋼所などが品質管理不正で謝罪会見を開きました。

 また2018年に起きた日大アメラグ部の危険タックル問題では、記者会見での出来事が社会的に大きな反響を巻き起こしました。
   https://www.asahi.com/articles/ASL5R7S0WL5RUTIL08F.html

 日本の記者会見(謝罪会見)は、責任者が「深々と頭を下げる」ことが常識となっています。
  記者たちが「正義の代理人」のように振る舞い、原因の究明や再発防止よりも責任者個人の責任追及を繰り返す様子に生産性を感じませんが、それが「当たり前(常識)」となっています。

  〜この「当たり前」を無視した大企業の記者会見(謝罪会見)は、日産自動車の無資格「完成検査」問題(2017年)での社長会見と、日本マクドナルドの「期限切れ鶏肉問題」での会見(2014年)くらいではないでしょうか。〜

繰り返しとなりますが、記者が「正義の代理人」役で責任者を「断罪」する日本型の謝罪会見スタイルが生産的であるのかは疑問です。

 しかし、

  組織のリーダーとして、「頭を下げる経験をほとんどしない人物」が
  多くの記者たち、テレビカメラに真摯に謝罪することは
  責任の重さを実感する意味は存在します。

 問題の大きさや責任の重さに対して強いリアリティを持つことが出来れば(当事者意識を持つことができれば)、組織の再発防止や再生に向けて大きく歩みを進めることができるでしょう。

 しかし、記者会見での「謝罪の仕方」が定式化された現在では

 記者会見(謝罪会見)では、責任者が
  「深々と頭を下げるポーズをすることがお約束」であると自覚するようになりました。
  (広報部門からのレクチャーも徹底されているでしょう)

 心からの反省はしないけれど、無難にその場を乗り切る方法論として謝罪が確立したようです。

 結果として、問題を発生させる組織文化(社風)は温存され、組織内での本質的な改善が進まないケースも増加しているかもしれません。

 同種の問題(トラブル)が繰り返し発生することも珍しくありません。
  今までと同じ「現状」が延長されています。

 「深々と頭を下げるポーズ」だけでは情動が動かず、思考が変わりません。
   ルーチンワーク化した行動からは、新しいものの見方や行動は生まれません。

コーポレート・コーチとして私はリーダーのみなさんが
  新しいテーマにリアリティを持てる対話
を常に工夫しています。

 対話することで、「ハッ」と新しいリアリティが生まれます。
  新しい発想が自然に生まれます。

 「リアリティが持てる」とはイメージ出来ることであり、(論理を理解するだけではなく)身体的に感じることです。

 未来を物語として語り合うのです。
 イメージによって新しい未来(目標)を目指し、新しい行動をスタートさせます。
  リスクマネジメントが難しい理由は、「想定の範囲」以外の可能性を認知できないからです。
  未来をイメージできた時に、「当たり前」を越えることが出来ます。
  そのためにも、論理による推論とイメージによる飛躍が必要です。

 未来を「物語」として話し合う中で、未来にリアリティを持つことが出来ます。
  対話には、それほどの「力」があります。

 苦境を脱するためのひとつのヒントは、
  論理的思考だけではなく、
   目標に対してリアリティを持つことです。

うつみ まさき
(内海 正樹)
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
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