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改善活動は、
 ・売上や品質を上げ、
 ・新しい商品やサービスを開発し、
 ・顧客と従業員を満足させる、
ための活動です。
会社に利益をもたらすため、成長する会社組織にとっては必須の活動です。

 多くの会社が改善活動を実施しています。
  (会社によっては、経営変革、営業改革、技術革新運動、etcと呼び方は色々とあると思います。)

しかし、改善活動を成功させることは想像以上に難しいものです。
それは、
 工場の生産ラインに新しい装置を導入するだけの場合とは違い、
 そこで働く人間(経営者から現場の従業員まで)の
 考え方や習慣が変わる(進化する)ことが重要なポイントとなる場合が
 多いからです。

ところで、
改善活動や新商品開発、経営変革などのプロジェクトに参加した多くの人は、
 会話や会議で、
  「キレる(感情に支配され、逆上する)人」たち
  に接することになります。

 この場合、合理的に話しが進まなくなってしまいます。

 そして、「キレる人」が組織のキーパーソンであれば
 彼らとのコミュニケーションが改善プロジェクトの成否に大きく影響します。
 ~キーパーソンたちの中に、「キレる人」が含まれる
  ことはよくあることなのです。
  「力」を持つ人は「キレやすい」のです。~

  「キレる人」とのコミュニケーション術は重要です。

「キレる人たち」にも色々なパターンがあります。
 中には、全くコミュニケーションが出来ないタイプの人もいます。
 このタイプの人が経営者や上司の場合には、改善活動には周到な事前準備が必要になるでしょう。

  また、成果が出るまでには時間がかかるため、精神的なタフネスさも含め息切れしない工夫が必要になります。

一方で、「キレる」ことを自分でコントロールしたいと思っている人も多くいます。
 コントロールしたいと頭ではわかっているのに、心や身体がついて行かないタイプの人です。

 このタイプの人がプロジェクトの味方になり、自身の衝動をコントロールすることで生産的に動いてくれるならば、プロジェクトが成功する確率は非常に高くなります。
 このタイプの人たちは観察力や行動力などにすぐれ、なかなか表面化してこない組織の課題や問題点に気がついたり、最初から熟知している場合も多いのです。

 ただ、このタイプの人たちはコミュニケーション上の問題があり、周囲の人たちに理解されないことがあるかもしれません。
 また、問題が本質的すぎて「触らぬ神にたたりなし」と敬遠されているかもしれません。

 どちらにしても、改善プロジェクトを成功させるために主体となって生産的に動いて欲しい人材です。

さて、

  『キレる私をやめたい』
   田房永子著 (竹書房)

という書籍があります。

 この本は2016年に出版された比較的新しい本です。
 Amazon などで読者からのコメントが多く掲載されています。
 多くの方が感銘を受けたと言うことでしょう。

 普段は大人しいこの本の著者は、ちょっとしたきっかけでご主人など特定の人に暴力などを振るってしまうほどキレてしまう(感情的になってしまう)。
 理性でキレてしまう自分の行動をコントロールしようとしても、それができないと言う辛い経験が綴られています。

 この著者の場合は、
   最終的にゲシュタルト療法に出会い、
   過去の母親との関係性を再発見していきます。

 そして、「キレる私」を卒業することになります。
 ~「キレる私」から卒業した後でも、
   すべての問題が解決したわけではなく、ご主人との関係に色々と悩み、
   人間的に成長して行く過程が描かれています。~

当然、ビジネスの現場で出会う「キレる人(たち)」がキレてしまう原因と
 この著者の事情とが同じとは限りません。

 しかし
 この著者は、ゲシュタルト療法から
  ・人には、「状況」と「心」がある。
  ・普段、人は「状況」同士で話をしている。
  ・「心」に注目するとわかることがある。
     「キレる私をやめたい」田房永子(竹書房)
      pp101 – 102
  を学びました。  

 これは、
  考え方やコミュニケーションの視点が大きく変わったことを意味します。

つまり、
ビジネスの現場においても、私たちは目の前に存在する「課題」「テーマ」に注目し、背景にある「システム」「価値観」「心理」に対して関心を払うことが少ないのです。

 目先の問題ばかりに注目してしまうことで、
  逆に問題解決が長引いたり、解決出来なかったりする事例は数多く存在します。

 結果的にお互いの「正義」「都合」をぶつけ合う、出口の見えない
   (まるで)宗教戦争のような対立状態
 に陥ってしまうのです。

 この「宗教戦争」は対立が激しくなればなるほど先鋭化し、
  組織の中に大きな分裂を作り、
  力の強弱で結論を決めることが普通になってしまいます。

 時には、極端な意見ばかりが「正論」として採択されてしまうのです。

 組織の中に大きな分裂があれば、団結力のある協力体制を作ることが難しく、
  組織としての強みを発揮することができません。

 また、逆に対立を避けようとするあまり現状を変える(改善する)ことができないこともあります。
 改善の成果をでっち上げることが当たり前になってしまいます。

すると、
 表面的に改善活動のプロジェクトが成功したように見せかけるつじつま合わせが横行します。
  しかし、改善活動の成果を得ることができなければ、組織は徐々に弱体化してしまいます。
 場合によっては、会社・事業が消滅してしまうこともあるでしょう。

会社を良くして行くためには、関係者が一致団結し、実際に行動することが重要なのは多くの人が理解しています。
 しかし、頭で分かっていてもそれが現実の行動に反映されなければ意味がありません。

『キレる私をやめたい』の中で、
 著者が「状況」だけではなく「心」に注目することを学んだように、
 私たちビジネスパーソンも、
  目の前に存在する「課題」「問題」だけではなく、
  課題が存在するシステム全体やステークホルダーの感情にも配慮して
 改善プロジェクトを進めなければなりません。

 改善活動で有名な「見える化」は、目の前で起きていることを定量的に把握するだけでは不十分なのです。

多くの改善活動のリーダーたちは、
 正しいことを分かりやすく伝えれば、
 みんなが協力してくれる
と考えがちです。

 もしそのアプローチで問題が解決するのであれば、それに越したことはありません。
 しかしそのやり方だけでは「抵抗勢力」が協力してくれない場合には、新しいアプローチが必要です。

 それは、改善の方法論(手法、プロセス、IT化)だけではなく
  考え方やコミュニケーションの方法を変えることが重要なのです。

 その第一歩は、
  ・この人(たち)は何をしたいと思っているのか?
  ・この人(たち)が大切にしたいことは何なのか?
   それは、なぜなのか?
 を常に意識することです。

 そこから、組織のマネジメントを捉え直すのです。

たとえば、会社に
  ISO9000sやCMMI、PMBOKなどを導入しても期待した成果が出ない、
  それだけではなく、手間が増え、お金がかかるばかり
 と言う声を耳にすることがあります。

 これは、改善の技術論の問題ではなく
  組織の文化や価値観が改善活動を拒否している場合に頻繁に目にするフレーズ(不満)です。
 この時、経営者や上司に対する従業員の信頼が薄いのかもしれません。

 このような状態のまま、会社を良くしていくことは容易ではありません。
  会社が大きくなればなるほど、この問題を解決することは難しくなっていきます。

プロジェクトコンサルティングの中心的テーマである
 ・コーチングや協調的交渉術のスキル
 ・会議ファシリテーションのスキル
 ・発想術・思考法のスキル
は、組織の改善活動を成功させるための基本的な技術です。

 これらを学び、時にはサポートを受けることで
  営業部門の売り上げが伸びるようになったり
  新製品開発ができるようになったり
  製品やサービスの品質が向上したり
 する事例が数多く存在します。

たとえば、あるデジタル家電メーカーは開発期間・納期を短縮することで利益を確保するための努力を常に実行しました。
 また、あるライフラインビジネスの会社は、営業と技術部門で協力することで新しいサービスを作り上げ、利益率を向上させました。

一方、多くの会社にとって、
 残されている時間は限られているかもしれません。
  競合他社が急激に成長し、多くのみなさんの市場を確実に侵食しているからです。
 大きな差がついてしまったあとに、それを挽回することはどんどん難しくなってきています。

会社や経営幹部を成長させたいと考えているが、煮詰まってしまったみなさんは、一度無料の個別相談会にいらっしゃってください。
 個別相談会では会社の課題を整理するお手伝いをしたいと思います。
 それによって、大きな展望が開けるかもしれません。

私たちは、約20年余り色々な新商品・新サービスの開発をお手伝いしてきました。
 ひと桁上の目標達成に貢献することもできました。

 多くの売り上げが上がることは、会社を元気にするための基本です。
  正しいやり方で利益が上がれば、経営者も従業員も元気になるのです。
  職場が明るくなるのです。

現在は顧客も社会も大きく変化しています。
 残念ながら淘汰される会社も多いのですが、逆に急成長する会社も続々と登場しています。
 私たちが提供できるリソースには制約がありますが、多くの経営者・管理職・従業員のみなさんが達成感と生きがいを持って仕事ができるお手伝いをしたいと考えています。

 「成長」「ゴール達成」は誰でも手に入れることができるのです。


 

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内海 正樹
(うつみ まさき)
 プロジェクトコンサルタント(コーポレート・コーチ)
 工学博士
(株)イノベーション・ラボラトリ
~ひと桁上への成長のために~
 ホームページから無料の個別相談を受け付けています
https://innovation-labo.com/
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