アニメ「ポプテピピック」からビジネスイノベーション(変革)を知る
【マインドセット、コンフリクト、コーチング】
「ポプテピピック」と言う深夜アニメが話題になっています
もともと、原作の4コマ漫画もファンの人たちから強く支持されていました。
映像や内容だけではなく、色々な工夫(演出)をされてアニメです。
登場する声優のみなさんは一流、人気の声優さんです。
そして30分の放送時間で、前半(Aパート)の再放送を後半(Bパート)に流します。
そのAパートとBパートで担当する声優が異なります。
しかも、毎週違う声優が主人公を演じるのです。
出演した声優三ツ矢雄二さんが「仕事ではなく、オーディションだと思った」と語るほど特徴的な現場ほどにアフレコ現場のようです。
SNSなどで話題となり、雑誌からも取材を受け、関連グッズも好評のようです。
制作者の意図は分かりませんが、新しい作品作りに対して実験的挑戦ができる環境なのでしょう。
これはある意味で、アニメーションにおけるイノベーションです。
「ポプテピピック」のキャッチフレーズとして、あえて「クソアニメ」と言う言葉が使われています。
自ら傍流を強く主張する意図がはっきりと読み取れます。
イノベーションは現状の延長ではなく、傍流(常識からの逸脱)から生まれます。
当然、放送がはじまった時に一部に批判的な声もあったようです。
新しいシステム(変革・イノベーション)が登場する際には、必ず違和感を引き越します。
常識的ではないものに違和感を持つ人がいるのは当然なのです。
確立したシステムが存在すると、違和感の力に負けて、変革が実現できないことは珍しくありません。
「新しい挑戦」を口にしながらも、新しい挑戦ができなくなるのです。
同質化の圧力は極めて強力です。
同質化されていれば、不安を感じる人からの攻撃を受けるリスクは減少するからです。
その意味で、新しい価値への挑戦(変革・イノベーション)のためには「自分とは異なるモノ」に対する寛容さを持つ社会・組織が必須です。
新しい価値は、「非常識」だからです。
異端者に対する違和感のマネジメントが必要なのです。
たとえば、日本の半導体ビジネスの中で現在最も存在感のあるNANDを研究開発した東芝社内では、当初NAND開発に投資することに批判が集まったと報道されています。(http://biz-journal.jp/2017/12/post_21816.html)
DRAMが主流の時代に、NANDの価値を理解できる人は社内に多くなかったのです。
しかし、その当時の半導体部門には社内の違和感をマネジメントできる人材が存在したためNANDが製品化することができました。
そしてNAND量産開始後にそのような人材がいなくなり、NAND開発のイノベータは東芝を去ることになります。
新しい価値を作るためには、違和感をマネジメントは必須です。
それができなければ、イノベーションは実現できません。
私がコーポレート・コーチとして活動する際には、違和感をマネジメントすることは最も重要なテーマであり、最も難しいテーマです。
多くの関係者が「真面目」「必死」に努力をしているからこそ、異端・違いが許容できなり、時には攻撃的になります。
この課題は、必ずしもロジカルシンキングなどだけでは解決することができません。
人間には感情があります。
そして、リスク軽減を推し進めれば現実的にリスクを受容できなくなります。
コンフリクト(対立・葛藤)を適切にマネジメントすることが、大きな飛躍を実現できるかどうかの鍵を握っています。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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