植村直己はなぜ遭難したのか?リーダーがプレッシャーに負けないために!
【リスク管理、成功、プレッシャー、努力、コーチング】
こんにちは。
コーポレート・コーチの内海正樹です。
私は、組織の売上げ・品質、メンバーの達成感の向上を目的として
・組織リーダーのみなさんへのコーチング(マインドセットのサポート)や、
・組織メンバーのみなさんへの
コミュニケーション・ファシリテーションなどのトレーニングを
実施することを使命として活動しています。
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多くの職場やプロジェクトで想定を超えたトラブルが発生しています。
優秀な人材を集め、堅牢な業務プロセスを持っている職場やプロジェクトであるにも関わらず。
コーチとして、現場に入ると
リーダーやメンバーに対する過剰なプレッシャーが引き金になっている場合が珍しくありません。
個人への過剰なプレッシャーをどのようにマネジメントするのかは重要な課題です。
そのひとつの答えは、「個人に責任を丸投げしない環境」作りです。
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冒険家と言う言葉から、どのような人物を連想するでしょうか?
また、冒険家という言葉から誰を思い出すでしょうか?
日本を代表する冒険家と言えば、間違いなく植村直己さんです。
植村さんが冬のマッキンリーで行方不明となったのは、1984(昭和59)年です。
しかし現在でも、テレビ番組などで植村直己さんは特集されています。
(たとえば、
2017年9月18日、25日放送 TBSテレビ「オー!!マイ神様!!」
http://www.tbs.co.jp/omk_tbs/archive/20170918.html
2018年5月8日放送 NHK Eテレ 「知恵泉」
http://www4.nhk.or.jp/chieizu/x/2018-05-08/31/7708/1494189/ )
植村直己さんは、「世界初の5大陸最高峰登頂者」として有名です。
(エベレスト・モンブラン・キリマンジャロ・マッキンリー・アコンカグア)
また、1984年には国民栄誉賞を受賞しています。
植村さんの有名な言葉は、
「冒険で死んではいけない。生きて戻ってくるのが絶対、何よりの前提である」
でしょう。
成功するために十分な準備をして、細心の注意を払って実行するスタイルが「植村流」です。
明治大学山岳部時代に登山合宿で「コロコロとしょっちゅう転ぶ」ことから、植村さんは「ドングリ」と呼ばれました。
このような体験が、モーレツな努力と準備で成功を目指すスタイルを作り上げます。
しかし1982年に南極大陸単独横断がフォークランド紛争の影響で中止となりました。
1984年冬のマッキンリー登山は、スポンサーの信頼を得るためにどうしても必要だったと言われています。
植村さんは、「成功させなければならない」と思い詰めていたのかもしれません。
悪天候の中で強行された冬のマッキンリー登山については、多くの関係者が「植村らしくない」とコメントしています。
後に救助隊によって発見された日記の最期には
「何が何でもマッキンレー、登るぞ」
と言う言葉に悲壮感を感じます。
アルピニスト(登山家)の野口健さんはEテレ「知恵泉」の中で、
「何が何でも」とは「いかなる状況下でも決行する」ことを意味し、
「(植村さんならば)本来は使わないはず」と述べています。
真面目な植村直己さんだからこそ、追い詰められたのかもしれません。
植村直己さんを死に追いやったのは強いプレッシャーではないでしょうか。
大事を成し遂げるためには、緊張感が必要です。
しかし、過度のプレッシャーは視野狭窄を起こし、冷静な判断を妨げ、パフォーマンスを大きく低下させることが知られています。
メンタルとパフォーマンスの関係を研究するスポーツ心理学では、強い緊張によるパフォーマンスの低下を「チョーキング」と名付けています。
プレッシャーによるパフォーマンス低下を防ぐために、スポーツ分野では「呼吸による緊張状態の沈静化」や「緊張状態での意志決定経験」などをトレーニングに組み込んでいるとのことです。
これらは、多くの職場やプロジェクトのリーダー・メンバーにも参考になるでしょう。
その上で、職場やプロジェクトに「安心の場」を作ることがより良い成果を出すために重要です。
過度のストレスを「個人」だけで受け止めず、チームや専門家と協力して対処するのです。
多くの職場やプロジェクトでは「孤立化」が進んでいます。
その状態が長く続けば、高いパフォーマンスを継続的に出すことはできません。
それが、ビジネス界でも多くのトラブルを発生させています。
「孤立化」は大トラブルのファンタメンタルなのです。
協力体制は職場内に限りません。
組織の監査などは「いちゃもんをつける」ためのものではなく、「問題発生を防止する」ためのものであるはずです。
マインドセットやメンタルヘルスの調整には、コーチやカウンセラーの協力が効果的です。
もちろん、家族などの助言・支援が効果的な場合もあります。
ポイントは、「ひとりでがんばり過ぎないこと」です。
ひとりの能力だけで対処できないほどのプレッシャーを多くのビジネス・パースンは受けています。
「任せきりにする(丸投げする)」ことで、多くの問題が発生しています。
組織の中に「安心の場」が存在することで、より高いパフォーマンスを出すことが可能です。
まだまだ個人も組織として成長できるのです。
うつみ まさき
(内海 正樹)
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
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