成功と成長、少しの変化:神鋼などの不正文化はなぜ「常識化」したか
【変革、改善、イノベーション、変化、コンフォートゾーン、パニックゾーン、コーチング】
こんにちは。
コーポレート・コーチの内海正樹です。
私は、マインド・マネジメントによる売上げ・品質、メンバーの達成感の向上を目的として
・リーダーのみなさんへのコーチング(マインドセットのサポート)や、
・組織メンバーのみなさんへの
コミュニケーション/ファシリテーションなどのトレーニング講師
として活動しています。
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コーポレート・コーチとして活動して分かることは、多くのリーダーやメンバーが
古い体質の職場に不満を持っている
組織を良くしたいけれど、ウチが変わるとは思えない
自分には何も出来ない
と感じていることです。
職場を良くするために、人事評価に「成果主義」を取り入れて、職場が荒廃した例もあります。
諸制度・諸設備の改善は重要ですが、それだけでは「人は変わりません」。
すぐに形骸化がはじまります。
環境を変えるとは、習慣とコミュニケーションを変えることです。
少しの変化でも、信念を持った変化は周囲に大きな影響を及ぼします。
私たち自身が少しずつ変わることが大きな変化を創り出します。
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報道によると、
2018年6月5日に東京地検特捜部と警視庁は、神戸製鋼所に対して不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で家宅捜索をしました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018060500962&g=soc
神戸製鋼所は、2017年10月8日に約200社に納入したアルミ板や銅製品について、工場の出荷段階で検査証明書を書き換えるなどの不正が見つかったと発表していました。
改ざんは1970年代に始まったとのことです。
https://mainichi.jp/articles/20171009/k00/00m/020/011000c
神戸製鋼所の品質データ改ざんに関しては、米司法省から「サピーナ」と呼ばれる拘束力の強い召喚状が出るなどの動きがあり、日本でも捜査を進めることになったようです。
https://www.asahi.com/articles/ASL654KBVL65UTIL02B.html
事件の背景には、利益を最優先にする会社の姿勢が見えます。
神戸製鋼所に限らず、目的(利益)のためには品質や約束・ルールを守らない企業が数多く存在するのです。
日本の素材や社会のインフラに関わるビジネスでは、「トクサイ(特採)」(特別採用)と呼ばれる商慣行が珍しくありません。
「トクサイ(特採)」とは、強度や寸法が顧客の示す「要求仕様書」を満たさない場合でも製品を顧客に納得してもらった上で出荷することです。
背景には、寡占市場で特殊な受注関係が常態化していたことも関係しているでしょう。
(神戸製鋼所の取引先の企業も捜査当局に被害を申告していません。)
利益最優先の会社の特徴として、担当者に責任を丸投げ(マネジメント不全)する会社文化があります。
その結果、パワハラも存在します。
過去には神戸製鋼所でも、
ミスをした担当者が工場長に『死んでしまえ』と言われるのは当たり前
と報道されています。
多くの製造業と同様に、外注化・派遣社員依存が進めば技術に関する感度も低下します。
もしそのような職場環境であれば、技術者としての当事者意識も低下してしまいます。
そのような社風では、組織内には「パニックゾーン」が存在することになるでしょう。
人や組織が最も高いパフォーマンスを出すのは、コンフォートゾーンにいる時です。
コンフォートゾーンは「安心の場」「快適な場」です。
熟知した環境のため、不安やミスがない仕事・活動をすることができます。
しかし、コンフォートゾーンの内にいる時は「新しいことへの挑戦」が発生しません。
(現状が心地よいからです。)
だからこそ、
・コンフォートゾーンから少しだけ外に出る
・コンフォートゾーンを大きくする
ことが成功・成長のために必要です。
しかし、心理学・認知科学の研究により「環境が不安定になると、コンフォートゾーンは小さくなる」ことが知られています。
難易度の高い挑戦をするためにコンフォートゾーンから遠く離れると、「パニックゾーン」に入ります。
現状を「良くしよう(変革・改善しよう)」とする活力(意志力、やる気、エネルギー)がなくなるのです。
部下への責任の丸投げやパワハラが当たり前の環境で、
「良くなるためにチャレンジする」よりも、不正を繰り返し、現状を維持しようとする
そのような社風(悪癖)が出来上がったのでしょう。
悪癖が蔓延した環境では、教育や説明会だけでは組織は変わりません。
人事制度を変えるだけでは、形骸化します。
会社・組織を良くするためには、諸制度・諸設備の改善と同時にリーダーシップやコミュニケーションを変えることが必須です。
「意識」が変わる必要があります。
(残念ながら、多くの組織は意識を変えることには消極的かもしれません。
自分自身のあり方が変わることは無意識レベルで恐ろしいものです。)
市場環境が変わり、厳しい競争を勝ち抜くためには「自分が変わる」ことを決意することです。
日常の習慣を変えてみることがスタートラインです。
自分の「あり方」を見つめ直しましょう。
(コンフォートゾーンを少しだけ大きくする努力をするのです。)
その変化は、行動や言葉、コミュニケーションに現れます。
リーダーの周囲が変わります。
そして、組織が変わります。
あなたは、ほんの少しだけ変わるタイミングかもしれません。
うつみ まさき
(内海 正樹)
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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