マインドセットとイノベーション:小さな一歩からイノベーション(魚も鳥も限界を知らない)
コーチやコンサルタントは「クライアントのみなさんの目標達成」をお手伝いすることが使命です。 クライアントさんとお話をすると「私たちから正解を得たい」と考える方が多いことに気がつきます。 それは当然なのかもしれませんが、現実の世界で「万能な正解」「完全な成功」を約束する方程式は存在しません。
ある巨大プロジェクトを担当する部門に対してコンサルティングをしていた際、その部門の管理職である加藤さん(仮名)からたびたび「何が正解ですか?」と質問をされました。 プロジェクトを進めるためにいくつかのオプション・ソリューションが存在します。「どのような選択をするべきか」はプロジェクトを安定的にマネジメントするために重要です。 私は「パイロット(小さな実験)をして、その結果から選択しましょう」と提案することがあったのですが、加藤さんはいぶかしげな表情で私たちを見ていました。 加藤さんは毎週のように休日出勤を繰り返すまじめな管理職さんでしたが、「教科書に載っているような模範解答」をいつも探しているようでした。 「小さな失敗から学習する」ことには抵抗があったのでしょう。バイタリティのある方でしたが、同僚や部下の方々と衝突することも多かったようです。大きな声で正論を叫ぶ様子が印象的でした。
会社の仕事に限りませんが、複雑な現実問題を解決するためには一般論だけでは対応できません。 ある程度の試行錯誤がどうしても必要です。(経験豊かなコーチやコンサルタントがいれば、失敗による悪影響を小さくすることができるでしょう)
正解であることが保障されたソリューションが見つかるまで動くことができない人は、どうしても大きなダメージを受けてしまうのです。 極端な完璧主義はビジネスにとって弊害です。
仏教思想家のひろさちやさんが、道元の『正法眼蔵』を解説しています。その中で、「魚は海の果てを知らずに泳ぎ、鳥は空の果てを知らずに飛ぶ。世界を完全に理解してから歩むのではなく、まず歩み始めることが大切です」と説明しています。 体験することによって多くのことを感じ、発見し、学ぶからです。学ぶことができれば、情熱を傾ける対象も明確になるでしょう。
行動することで本質が認知されます。
小さなスタートをすることがイノベーション(変革)を実現する最初の一歩となります。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
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