なぜ、○○活動推進者は嫌われるのか?
多くの会社では「○○活動」が頻繁に行われています。
小集団活動(QC活動)、VA活動、品質アップ活動、コストダウン活動、マナーアップ活動、接客向上活動、笑顔アップ活動、etc.
どれも、現場を改善することで会社を良くしようとする活動です。
たた、○○活動の推進役の人たちは現場の人に嫌われることが多いようです。
推進役になるためには、色々な研修を受けることがあります。
例えば、QC活動を進めるためにはQC七つ道具の研修を受けるかもしれません。
笑顔アップ活動を推進する総務部門の人は、本社から送られてきた資料を現場の人たちに説明できるように勉強しているかもしれません。
でも、現実の人たちからは敬遠されるのです。
それは、○○活動は現場の事情を無視して「上から降ってくる」からです。
「会社の経営者が決めたことだから実施しなくてはならない」と命令されてしまうのです。
場合によっては、本来の目的が曲解され、間違った翻訳をされて現場に落ちてくることもあります。
マナーアップ=「おはようございます」と声を出そう
と解釈されることもあるのです。
そして、推進役の人たちにも「ノルマ」が課せられることがあります。でも、現場の人たちは協力してくれません。
困って上司に相談しても、「君の仕事だからなんとかして」と丸投げされるかもしれません。
結局、現場の人に強引に仕事を押しつけたり、活動をやったふりをするデータをねつ造したりするなど「誰も幸せにしない結果」になる場合もあるのです。
そうなってしまうようならば、どう考えても推進役は「やりたくない仕事」です。
職場の中で上手なコミュニケーションがないときにこのようなことが起こります。
本当の目的は何ですか?
本当にやるべきことは何ですか?
障害になっていることは何ですか?
実は、職場の中の問題点をあぶり出すためには良い機会なのです。問題のあぶり出しを面倒くさいと思って先送りしていると、どこかのタイミングで大変な大問題となって課題が表面化します。その時に慌てても間に合わないかもしれません。
面倒なことが起こった時、それを改善の機会にできる信頼関係を職場の中に作りましょう。それを実現する方法は既に世の中にいくつも存在しています。職場の目標を共有化する仕組みやその目標が達成されて誰がどのようにうれしいのかを含めて話し合う環境が必要です。期末期初の目標管理だけでは職場は活性化しません。職場の活性化は日常業務の中に落とし込むものなのです。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ