会社・職場を良くするコーチング:会社内で孤立し、プロジェクトの頓挫が多発?!
私がコーポレート・コーチングやコンサルティングの一環として多くの会社・組織で交渉術やコミュニケーションのトレーニング講師をはじめた当時、少し意外なことに気づきました。
顧客などに対しての交渉だけではなく上司、特に経営幹部や上級管理職に対する交渉やコミュニケーションで悩んでいるリーダーが想像以上に多かったのです。
現在では市場での競争が激しくなっています。
競争に打ち勝つために色々なプロジェクトが会社内で稼働しています。
努力したプロジェクトが成果を出す・実を結ぶためには、プロジェクトメンバーの努力だけではなく社内関係部門の協力は必須です。 そして、大きなプロジェクトになれば経営幹部や上級管理職の支援がなければプロジェクト活動は失敗します。 それは当たり前のことなのですが、実際にはプロジェクトの当事者だけが努力して、上司や関係者からの協力が得られず、失敗に終わる・大きな損失を出すケースが急激に増えているのです。 会議や稟議で承認されたことと、協力を得ることは全くことなります。 色々な会社文化がありますが、関係者からは「自分は関わらないから、勝手にやってね」と言われてしまう重要プロジェクトの方が現実には多いのではないでしょうか。
上司や関係者からの支援・協力が得られない理由は色々と存在します。 ただ、彼らへの説明(プレゼンテーション)が適切ではないことが原因となるケースは私が知る限りでも大変に多いのです。
特に、経営幹部や上級マネージャーへの説明は時間が限られています。15~30分程度が上限になる場合も珍しくありません。
大きな決断を短い時間で迫ることもあるでしょう。 会社組織の中では経営幹部や上級マネージャーが「決断」に慣れているとは限りません。
とにかく、努力を続いているプロジェクトがプレゼンテーションの失敗で中断や方向転換をされないためにも、リーダーたちがプレゼンテーションに多くの時間を費やすことは仕方がないことかもしれません。 もしかすると、顧客向けの資料よりも多くの時間を使っているのではないでしょうか。
多くのリーダーは、「綺麗」「分かりやすい」説明資料を作ろうとします。
カラフルなグラフィックを使い、フォントの選択に悩みます。
また、論理的・合理的な説明ができるように努力します。そのためにデータ収集・分析をすることになるかもしれません。 また、QFD(Quality Function Deployment)などを会社内の全員が理解・活用できるようにするべきだと教える専門家もいらっしゃるようです。 たしかに、思考のフレームが共通であるならば会社でのコミュニケーションは効率化ができるはずです。
ただし、多くの会社・組織で現場リーダーのみなさんよりは経営幹部たちは現実の課題を理解していません。 短い時間で課題を理解できるとは限らないのです。
多くの会社で現実的に最も有効な方法は「根回し」でしょう。
特に経営幹部や上級マネージャーへのプレゼンテーションの場合には、側近や知恵袋と対話・説明をするのです。
プレゼンテーションにおいて最も大切なのは「相手は何を求めているのか?」「どのような優先順位や順序でものごとを理解し、決定するのか?」を事前に知ることです。 相手の「ニーズ」をしっかりと把握しているかどうかでプレゼンテーションの勝敗は決まります。
そのためにも、側近や知恵袋から情報を得る必要があります。 そして、自分たちの意志・意図を可能な限り経営幹部や上級マネージャーへ伝えてもらうことが大切です。 伝統のある会社ではリスクを取ることを避ける文化を持っています。 それは、前例主義であると言うことです。 プレゼンテーションの相手、特に経営幹部や上級マネージャーが「本心から共感できる文脈」は何なのかを理解することが資料を作る際のポイントであることは間違いがないのです。
なお、このようなお話をトレーニングの場ですると「そこまでしなければならないのですか?」と言う質問をいただくことがあります。 たしかに、生産性が悪い気がするのはもっともです。 リーダーと言う役割は大変に多忙です。時間をかけたくない気持ちは良く分かります。 ただプロジェクトが頓挫するリスクがあるのならば、手間を惜しんでいるゆとりはないはずです。
そして、多くのリーダーのみなさんが生産性の会社・組織の意志決定者に早く昇格できることを目指して頂きたいと思います。 それが、プロジェクトメンバーだけではなく、職場の仲間たちを幸せにする最短ルートなのです。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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