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会社・職場を良くするコーチング:『思考は現実化する』『7つの習慣』を知ることと経営変革

あなたは『思考は現実化する』ナポレオン・ヒル(著)、『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー(著)‎、『道は開ける』D・カーネギー (著)などの書籍はご存じでしょうか? これらの書籍は成功哲学について書かれた古典的代表作です。 リーダーが知るべき心得についても書かれており、長い間ベストセラーとなっています。 その意味で、現代でもリーダーの必読書です。

これは2010年頃にある会社A社を私が訪問した際のお話です。 訪問先したA社で経営変革を推進する部門を訪問したのです。 私は会議室に通され、7~8名の方とA社の経営変革について意見交換をしました。 参加されたみなさんはミドルマネージャークラスの方々で、会社で将来を期待されている大変に優秀なみなさんでした。 有名大学を卒業してA社に就職し、アメリカの大学で経営変革のための理論を学んだ方もいらっしゃいました。

会議の休憩時間に、何かのきっかけでそれぞれの趣味の話、好きな本の話などで盛り上がりました。 そして、この会議に参加しているみなさんは『思考は現実化する』も、『7つの習慣』も、『道は開ける』も全く知らないことが分かりました。 内容に同意しない、読んだことがないのではなく、存在そのものを全くご存じなかったのです。

続けて色々と質問をさせて頂くと、歴史や古典文学などにもほとんど関心を持っていないことが分かりました。 所謂、リベラルアーツに対する興味・関心がなかったのです。

A社での経営変革は、全従業員がロジカルシンキングを実践することを目標としており、人事制度・業務プロセス・ITシステムなどを刷新ことで目標を実現しようとしていました。 定量的なデータを用いた管理、つまりデータドリブンなマネジメントを追求しようとしていたのです。 経営変革(イノベーション)を実現するために「マインドセットを変えることが重要」と言うフレーズはご存じでしたが、自分たちの活動を追求すれば自動的に従業員のマインドセットは変わるとの仮説を立てていらっしゃるようでした。 もちろん、データドリブンなマネジメントは重要です。 ただし、そこに至る過程に対する仮説には疑問がありました。

A社経営変革推進部門のみなさんはIQ(知能指数)は大変に高く、EQ(共感・人間関係への関心)が低いように見えました。 伝統のあるA社の経営変革をこの職場のみなさんが中心となって推進するのは容易ではないと私は判断しました。 ITシステムなどで日常的な行動を管理されたとしても、それだけでは自律的に思考する人材は育成できません。 あくまでも結果論ですが、その後このA社は経営難に陥り、存続の危機に直面することになりました。

経営変革を実現すると言うことは、経営者・従業員が思考パターン(マインドセット)を変えることを意味します。 その結果として、活動の質・習慣の質が変わり、業績が成長するのです。 しかし、「マインドセットを変えましょう」と教育・説明されるだけではマインドセットを変えることは出来ません。 経営幹部・リーダーがコーチングのスキルと精神を学び、サーバント型のリーダーシップを発揮することで従業員の自律性・創造性の発揮を支援することが中長期的なマインドセット成長の鍵なのです。 信頼にもとづく質の高いコミュニケーションと権限委譲によってそれは実現されます。 自律的・創造的な従業員はAIやロボットなどに代替が不可能な貴重な存在として個人と会社業績を成長さる存在となるのです。

市場での競争が激しい社会においては、会社を成長させ、社会に貢献できる高いレベルの目標達成をする従業員集団の存在が会社を加速的に成長させる経営変革実現の中核となります。 そのような人材が会社の生き残りを決定することを忘れてはなりません。 だからこそ、マインドセットを変えることが重要なのです。


うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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