ピンチになったら時、0ベースで考える方法【改善・変革・コーチング】
「閉塞感」を感じる人が増えているようです。
多くの会社員、研究者、学生が閉塞感を感じています。
それを突破するためのきっかけは「自分の外からやってきます」。
だからこそ、そのきっかけをつかむための環境を整えることが改善・変革のキー・ポイントです。
ここで、P社の中でリーダーたちがイノベーションマインドに目覚めた際のお話をさせていただきます。
P社はグローバルビジネスを展開する製造業であり、数年前まで主力製品は世界的にも大きなシェアを持っていました。
しかし中国メーカーなどの競合他社に敗れ、組織を改善するためのコンサルティングを受けることとなったのです。
しかも若手の有望な社員が退職する、メンタル的に不調を訴える社員が増加するなど問題は複雑化・深刻化していたのです。
P社のマネージャーたちは大変にまじめで、コンサルタントからの提案書に書かれた事項をよく勉強し、忠実に実行しようとしていました。
しかし、結果的には改善効果がないのです。
そこで、P社から新たに依頼を受けた私は現状を知るために関係者たちにインタビュー(対話)をすることにしました。
そこで分かったことは、
P社の人たちは、自分たちの過去の成功体験に合致さないものを
避けている
と言うことでした。
それは意図的なものではなく、無意識に現実を歪曲して解釈した結果でした。
たとえば、マネージャーのひとりTさんは「ウチはコミュニケーションが良く、みんなで自由に意見を言う雰囲気がある」とお話をされました。
しかし、Tさんはトップダウン型のマネジメントスタイルで部門メンバーはTさんと会話することを怖がっているほどなのです。
部門メンバーから少しでも反論されると激高することもあったようです。
それでも、Tさんは自部門がコミュニケーションが良いと心から信じているようでした。
Tさんの目にはそのように見えてしまうのです。
そこで、私は過去の成功体験から脱皮できるようにコーチングを進めることにしました。
多くの人たちは過去の経験をもとにして意志決定します。
価値観は過去の成功体験や、上司・先輩・先生から「無条件にすり込まれている」のです。
ところが時代が変わり、環境が変化すると過去の経験・成功体験は全く役に立たなくなるばかりか、現実を歪曲して判断させるようになります。
間違った意志決定・行動をすることで失敗を繰り返すのです。
そして、まるで色眼鏡をかけたような歪曲した価値観で失敗原因を考察するので問題の本質から大きく外れた対策ばかりを実行し、さらに傷口を大きくしてしまいます。
新約聖書のマタイによる福音書に、「新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」と書かれています。
禅宗の逸話にも、禅僧が学者に向かって「あなたの頭は知識でいっぱいだ。教えを乞いに来たとおっしゃるが、あなたの器はいっぱいだ。何も入れられません。」と諭す話が出てきます。
行き詰まった時には先入観を捨て、0ベースで考える必要があるのです。
ところで、どうすれば0ベースで思考することができるでしょうか?
多くの人は「独力では発想の転換ができません」。
そのためのキーは、第3者である仲間・味方との対話です。
新しい考えは、外からの刺激によって生まれます。
みなさんも「誰かと話をしているうちにハッとひらめいた経験」をお持ちの方がいらっしゃると思います。
対話・会話は最も効果的な発想の転換法なのです。
その時対話の相手は直接的な利害関係のなく、信頼出来る相手が最も良いでしょう。
相手の言葉や質問に「ハッ」と気がつくことがあるはずです。
そのようにして新しいステージに立つことは誰にでも可能です。
危機を打開する変革は誰にでも可能なのです。
諦めることなく、改善・変革を進めましょう。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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