こんにちは。
プロジェクトコンサルタント 工学博士の内海正樹です。
リーダーシップコミュニケーションとパーソナル・コンサルティング(コーチング)、プロジェクトマネジメントなどを通じて人と会社の「ひと桁上の目標達成」をお手伝いしています。
ここでは、会社と個人の業績をアップさせるための「テレワークとコミュニケーション/感情(エモーション)のコントロールとは?」について解説します。
新型コロナウイルスの影響で「やむを得ずテレワークをはじめた人や会社」は多いと思います。
テレワークは新しい働き方のトレンドになる可能性があります。
本来、テレワークは生産性を上げるための働き方です。
テレワークは、多くの社員にとっても、会社にとってもWin-Winとなるべきものです。
(もちろん、仕事内容によって、向き不向きはあります)
たとえば、テレワークを活用することで
営業メンバーを増やさずに、新規顧客を開拓し、
営業成績を約30%アップさせた会社も存在します。
「テレワークの導入」=「IT環境と業務プロセスの整備」
のNext Stepは何でしょうか?
ひとつは、テレワーク環境でのコミュニケーションと感情のマネジメントです。
今までと異なる仕事の仕方によって危機を乗り越えて、劇的に成果を出す可能性があるのです。
●テレワークが嫌になる「ある理由」
テレワークと言う働き方を続けることで
・生産性が上がったり
・固定費が削減できたり
・従業員が通勤ラッシュから解放されて喜んでいる
ことを実感できた人も多いでしょう。
一方で、テレワークを早く止めて、元のオフィスでの仕事に戻したいと思った管理職の人たちも多いようです。
もちろん、テレワークを止めたい理由は色々とあるでしょう。
ただ、私が良く耳にするのは、
(今までの)自分のやり方では上手な部下指導ができない
と言うものです。
相手に意図が伝わっているのかも分からず、イライラする
と言うのです。
では、Face to Face のコミュニケーションとテレワークは何が違うのでしょうか?
●テレワークでの上手なオンラインコミュニケーション
テレワークと言う働き方では、オンラインでのコミュニケーションが必須になります。
今までと同じように、電子メールやチャット、電話だけでコミュニケーションが完結するならば良いのですが、社内の打ち合わせや話し合いを新たにZoomやGoogleMeet、Lineなどを使って
・オンライン会議
・オンライン交渉
に切り替えた時に、問題が起こるかもしれません。
「あれっ」と言う違和感を感じる人がいるのです。
ネットワークを使うことにより、オンラインではリアルタイム性や臨場感に差が出るのです。
オンラインコミュニケーションでは、Face to Face感覚をそのまま体感することができません。
そこで、「オンラインのマナー」として
・語尾まではっきりと発言する
・発言しない時はミュートする
・相手の発言は最期まで聞く
・しっかりと相手に視線を送る
(カメラ越しになることに気をつけてアイコンタクト)
・うなずくなどのアクションをしっかりとする
(少しオーバーなくらいに)
などが提案されています。
そして、男女問わずにTPOに気をつけながらもファッションやメイクは「少し明るい感じ」にすることが印象を良くするので効果的です。
もちろん、カメラ位置やイヤフォン、マイクなどの工夫も効果的です。(事前に確認すると良いでしょう。)
出来ることからはじめるのが良いのです。
場合によっては、資料などを事前に送り、お互いにその内容を確認しておくことでコミュニケーションがスムーズになることも多いでしょう。
このように整理すると、テレワークと言う働き方かどうかに関係なく(ビジネスでの)コミュニケーションの基本を守ることの大切さを再確認しますね。
●感情的に「テレワークは嫌」だと思う人がいます
ところが、コミュニケーションの基本を守るだけでは「嫌」が解消されない場合もあるのです。
Face to Faceでのコミュニケーションで「当たり前だった感覚」が失われるだけで、強い拒否反応を示す人たちがいます。
今までのやり方や感覚とは違う、それが「許せない」人たちです。
実は、全ての人は無意識のうちに
「快」を近づけ、「不快」を遠ざける
と言うプログラムをインストールされています。
そして「不快」を感じれば、「戦う」か「逃げる」を選択してしまうのです。
(それも、無意識のうちに)
さらに、
「不快」=「悪」or「間違い」
として(無意識のうちに)処理されてしまうのです。
多くのビジネスパーソンは、毎日のように強いストレスを受け続けています。
すると、
「不快」⇒「悪」⇒「怒」「恐怖」
と反応します。
「怒」「恐怖」がベースにあれば、合理的・理性的に判断することも、行動することもできません。
オンライン会議で、無性に「嫌になった」「腹が立った」「部下をバカヤローと叱責した」ような人たちは、無意識レベルの「怒」「恐怖」に取り憑かれている可能性が高いのです。
このタイプの人たちはアイデンティティに課題があるかもしれません。
自己肯定感・セルフエフィカシーが低いことが、致命的な判断誤りを引き起こすのです。
●無意識のバグを修正して、成功する
本当は、無意識レベルのプログラムに解決するべき課題(バグ)がある時には、コーチやカウンセラーなど「トレーニングを受けた専門家」のサポートを受けると良いと思います。
長い人生の中で、課題(バグ)は繰り返し繰り返し影響を及ぼすからです。
しかし、身近に信頼できるコーチやカウンセラーがいない人も多いと思います。
その場合は、上司側の応急処置として
・イラっと来たら、1回は深呼吸。
・深呼吸が終わってから、目の前の課題を再チェック。
・(一呼吸して)冷静に判断し、行動する
ことを心がけると良いでしょう。
この場合の「冷静」とは、客観的なデータなどに注目して意志決定することです。
いつも、それを「意識」するのです。
あえて、自分の感情をひとまず「横に置く」と意識するのです。
私は、リーダーシップ教育とパーソナルコンサルティング(コーチング)を 組み合わせることで、多くのリーダーの皆さんをサポートしてきました。
管理職全員に対してサポートができないことが普通です。
そこで、会議や交渉の前や山場では必ず深呼吸をすることをお伝えしています。
それだけでも、大きな改善効果があるのです。
一方、部下側の配慮としては「最初からガンガンと主張しない・攻めない」ことです。
上司と戦っても、多くの場合は勝ち目がありません。
まずは、上司の話をしっかりと聞いた上で作戦を考えることになります。
つまり、「同意ではなく、配慮するのです」。
そのために、深呼吸は有効でしょう。
上司が何に特別なこだわりがあるかが分かれば、作戦を立てることが可能です。
(別の機会に改めて説明をしたいと思います。)
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【事例】
都内の製造業で営業部門の責任者をしていた柴田さん(仮)は、部門の営業成績について悩んでいました。
柴田さん自身は、大変に優秀な営業マンでした。
期待されて営業部門の責任者になったのですが、部門の営業成績が良くありません。
営業成績の悪い担当者たちを協力会社に派遣し、コストダウンを行って少数精鋭で難しい局面を乗り切ろうとしました。
マネジメントするメンバーを少なくすることで、柴田さん自身が営業活動をコントロールしやすくなると思っていたのです。
もちろん、柴田さんは毎日夜11時くらいまで残業をして頑張りました。
それでも営業成績は伸びず、月次報告では胃がキリキリと痛むような時間を過ごしました。
営業メンバーが少数になった結果、担当者はエリアを飛び回ることになり、電子メールや電話でのコミュニケーションが増えて行きました。
次第に、柴田さんは部下とのコミュニケーションに不快感を持つようになりました。
常に「バカヤロー」と怒鳴り散らすようになったのです。
実は、柴田さんは学歴にコンプレックスがありました。
有名大学を卒業して入社した部下たちをいつのまにか「疎ましい」と思うようになっていたのです。
「きっと真面目に仕事に取り組んでいない」と考えるようになっていました。
そこで、柴田さんに
・冷静なコミュニケーションとは何なのか?
・部下から見て柴田さんはどのように見えるのか?
・柴田さんが本当に望んでいるリーダー像はどのようなものなのか?
などを考えてもらい、改めて自分なりのコミュニケーションスタイルを手に入れてもらったのです。
「理想的な職場」を改めてイメージしてもらったのです。
その職場に、怒号や怒りは不釣り合いだと理解しました。
職場のあるべき姿がイメージできるようになったのです。
すると、深呼吸にも意味があることが実感できるようになりました。
(最初は、納得できなかったそうです)
その上で、自分自身の営業経験から得た知識や技術を部下たちに伝えてもらいました。
すると少しずつ部門の営業成績が向上し、無事に決算時期を乗り越え、営業部門は会社からの優秀賞を獲得することができたのです。
その後、柴田さんは事業部を任されるような立場に成長して行きました。
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コミュニケーションの形を変えることで、(会社内外の)人間関係を作り替えることが出来れば大きな成果を手に入れることができます。
会社・職場が生き残ると言うよりも、新しく生まれ変わると言っても良いでしょう。
コミュニケーションや交渉は、あまりにも身近なテーマです。
身近すぎて、意識して考える機会がないのが当たり前です。
しかし、身体に血液が流れなければ死を迎えるようにコミュニケーション不全の会社・職場は生き残ることができません。
成功に必要なものは、多額の投資ではありません。
「情熱」です。
**ホームページから無料の個別相談を受け付けています。
https://innovation-labo.com/
**コミュニケーションには、外的コミュニケーションと内的コミュニケーションが存在します。
外的コミュニケーションは、対人関係に関係し
内的コミュニケーションは、考え方に関係します。
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内海 正樹
(うつみ まさき)
プロジェクトコンサルタント(コーポレート・コーチ)
工学博士
(株)イノベーション・ラボラトリ
~ひと桁上への成長のために~
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