こんにちは。
プロジェクトコンサルタントの内海正樹です。
リーダーシップコミュニケーションとプロジェクトマネジメント、エンジニアリングマネジメントなどを通じて、「ひと桁上の目標達成」をお手伝いしています。
多くの会社・職場のお手伝いをしていると
打つ手がなく、焦燥感に駆られている組織が多いことに
気がつきます。
例えば、優秀な人たちがまじめに働いているのに
・会社内の人間関係が良くない
・部門間で対立してしまい、足を引っ張り合う
・結果的に売上が下がり、退職者が増える
などの声を聞くことも珍しくありません。
昔から、会社は
・人
・もの
・金
で決まると言われます。
特に、今は「人」が最重要でしょう。
「人」が活きるから、
「もの」も「金」も活いるのです。
そして、大切な情報も活きるのです。
私はリーダーシップコミュニケーションのひとつの技術として「協調的交渉術」をお伝えしています。
~協調的交渉術は、コンフリクトマネジメントの研究成果を交渉に応用したものです。~
交渉の本質は説得ではありません。
しかし、多くの経営者やリーダーとお話をしていると「説得」に対する期待が大きいことが分かります。
ビジネスの現場では時間的な制約が大きく、説得が必要な場合が多いのです。
ところが、多くのビジネスリーダー・ビジネスエリートは次々と説得に失敗しています。
顧客に対する提案では、相手を納得させることができません。
また部下や同僚たちへの説得に失敗し、プロジェクトが頓挫する事態が発生しています。
さらに部下への指示・説得が不十分で、会社としてコンプライアンス違反を繰り返し、経営基盤を危機的状態に追いやる経営者も後を絶ちません。
~ちなみに、このタイプの経営者は「現場が勝手にした」と説明します。~
●なぜリーダーは説得に失敗するのか?
なぜ彼ら(経営者・リーダー)は説得に失敗するのでしょうか?
・もちろん、最初から無茶な目標設定だったのかもしれません。
・指示の内容が断片的で、周りが理解できなかったのかもしれません。
・独善的態度が反感を買ったのかもしれません。
しかし、もっとも多い理由は
論理的に、分かりやすく説明すれば、みんなが分かってくれる
と信じるリーダーがあまりにも多いことです。
ロジカルシンキング万能主義の病です。
特に、高学歴で優秀なエリートタイプリーダーにこの種の「病」にかかっている人が多いのです。
~個人的な経験ですが、歴史のある大企業にはこのタイプのリーダー・マネージャーがとても多いと思います。~
●説得のポイントはリアリティ
もちろんロジカルシンキングが間違っている訳ではありません。
特に、ビジネスの世界では論理的に考えることは非常に重要です。
~感情に流されていてはビジネスで成功できません。~
しかし、答え(正解)が複数存在する世界では
論理的に、わかりやすく説明するだけでは人を納得させることができません。
例えば、営業部門には営業部門の都合があり、製造部門には製造部門の都合があります。
部門毎にミッションが存在するからです。
営業部門の正解を製造部門に押し付けても、製造部門の人達は納得しません。
~「本社の人間は現場のことを何も分かっていない」と反発されてしまいます。~
エリート社員の人たちの中には、「会社として決まったことだから納得してください」と言うセリフを頻繁に使う人もいます。
(それで説得できる案件ばかりならば、多くのリーダーは苦労しません。)
現場では「やったフリ」が横行し、ムダな作業が増え、会社はますます疲弊します。
営業部門にも、製造部門にも納得できる答えを出すためには、お互いが「共感」できるストーリーや言葉を使うことが重要なのです。
それには、まず「リアリティ」が必要なのです。
~五感で納得できる必要があるのです。~
リアリティとは、例えば
梅干しを見れば、口の中に唾がたまる
そのような感覚です。
リアリティを出すために最も重要なことは、「物語(ストーリー)」として説明できる力です。
過去の痛みや、未来の希望を「物語」としてありありと説明できる必要があるのです。
一旦リアリティを感じれば、そのリアリティにより現実味を持たせるために定量的な数値データやグラフなどを示せば良いのです。
多くの人がこれで真意を理解し、納得します。
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[事例]
これは、都内の IT企業でプロジェクトマネージャーを任されている野口さん(仮)にリーダーシップコミュニケーションのコンサルティングをした時の事例です。
野口さんは多くの「大炎上プロジェクト」を経験し、会社として新しい開発手法を導入する必要を感じていました。
しかし、プロジェクトのメンバーは新しい開発手法を導入することに強い抵抗感がありました。
プロジェクトメンバーの人たちは、そんなことをするよりも
・無茶な案件を持ってくる営業部門を何とかしてほしい、
・コスト管理ばかりに関心がある経営者が悪い、
と不満ばかりを口にします。
新しい開発手法の成功事例などを説明しても耳を貸してくれません。
そこで、野口さんは
・今までどれほどのプロジェクトで悲惨な経験をしたか
家族にもどれほど苦労をかけたか、何人もの仲間が職場を去って行ったのか
・経営幹部や営業部門もどれほど苦労をしているか
・自分が新しいプロジェクトメンバーにどれほど期待をしているか
などの思いをプロジェクトのコアメンバーに伝えたのです。
野口さんの情熱がコアメンバーを動かし、コアメンバーがその他のプロジェクトメンバーたちに思いを伝えました。
その後、新しい開発手法がプロジェクト内に浸透していくことにそれほど時間はかかりませんでした。
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コミュニケーションの形を変えることで、会社内の信頼関係を作り替えることが出来た会社だけが再生に成功しました。
会社・職場の生き残りと言うよりも、新しく生まれ変わることができたと言っても良いでしょう。
コミュニケーションは、あまりにも身近なテーマです。
身近すぎて、意識して考える機会がないのが当たり前です。
しかし、身体に血液が流れなければ死を迎えるように
コミュニケーション不全の会社は生き残ることができません。
コミュニケーションを改善に必要なものは、多額の投資ではありません。
会社を良くしたいと思う「情熱」です。
**ホームページから無料の個別相談を受け付けています。
https://innovation-labo.com/
**コミュニケーションには、外的コミュニケーションと内的コミュニケーションが存在します。
外的コミュニケーションは、対人関係に関係し
内的コミュニケーションは、考え方に関係します。
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内海 正樹
(うつみ まさき)
プロジェクトコンサルタント(コーポレート・コーチ)
工学博士
(株)イノベーション・ラボラトリ
~ひと桁上への成長のために~
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