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会社の成長・改善:あなたがイノベーション活動を成功させるために

現在、多くの「一流企業」「伝統的企業」が業績不振に喘いでいます。そして、将来に向けての明確なビジョンを作ることができず苦しんでいるのです。

そして、会社・組織の大小を問わず現状を打開するために新規事業開発、新しい技術開発(研究開発)、生産性や品質の改善活動など模範解答が存在しない新しい挑戦をはじめています。ここではそれらの活動をイノベーション活動、イノベーション活動を担当するチームをイノベーション・チームと呼ぶことにしましょう。

ここでは、私たちの支援経験をもとにしてイノベーション活動の成功確率を上げるポイントをお話ししたいと思います。

一部の会社はイノベーション活動をするためにコンサルタントや大学の研究者に色々なMethodology(方法論)を指導してもらっているようです。過去に多くの成功事例を出している立派なMethodology(方法論)を勉強しているのだと思います。ところが多くの優秀な人たちがコスト(費用、時間、機会)を費やしているにも関わらず、成果が出ない活動も多いのが現実です。しかも、失敗から学習し、次の挑戦に活かしているのであれば良いのですが(PDCA:Plan-Do-Check-Action)、「何もなかったこと」になっている会社も存在します社内に失敗を許さない社風があるのでしょう。イノベーション活動はリスクが大きいのですから失敗する可能性も高いのですが、失敗しやすい会社・組織には特徴があるようです。

イノベーション・チームには適任者が人選されたとしましょう。

イノベーション活動は暗闇の嵐の中を懐中電灯で歩くような活動ですから、チームリーダーやメンバーには技術的な支援だけではなく、マインドの支援も重要です。これは当然のことかもしれません。高い目標を掲げて活動するため、多くのチームメンバーが活動の途中で心が折れそうになる(挫折しそうになる)タイミングがあるからです。ただ、それだけでは問題は解決しない場合が多いのです。

会社・組織がイノベーション活動をしようとするのは「業績」「信用」が落ちているからです。そのような場合に、経営幹部の独裁性が強くなる傾向があります。すると、チームには「やっていることを何でも、すぐに見せろ」とプレッシャーがかかりはじめます。独裁的な経営幹部が無意識にチームを信頼できなくなるのです。すると、チームは報告作業だけでも多くの労力が必要になります 経営幹部に資料を提出する前にミドルマネジメントレベルで繰り返し修正指示が出ることも珍しくありません。必要以上に根拠を求められたり、リスク回避を求められたりすることも極めて多いのです。そんなことをしているうちに、イノベーション・チームは独裁的な経営幹部に忖度をはじめます。必要以上に経営幹部がイメージしていることを形にしようとします。チームメンバーやミドルマネジメントの人事評価も関わると思うと無理もないことかもしれませんがそれでは単なる現状の追認・最適化に過ぎず、新規性への挑戦ができなくなってしまいます。結果的に動きの速い競合他社に負けてしまいます。

私たちがコーポレート・コーチングする場合には、イノベーション・チームと経営幹部との関係性をいかに協調的にするかに注力します。精神的には経営幹部がイノベーション・チームの一部として「支援活動」をできる環境を作るのです。(最初からそれが不可能だと分かっているのであれば、活動はスタートするべきではありません) それが、コミットメント(意思表示)として重要なのです。 ~その意味で、コーポレート・コーチングの対象は経営幹部も含まれることになります。~

これは、客観的な事実を共有するよりも関係者の認知パターン(価値判断や意志決定のパターン・傾向)を共有・許容することを意味します。自分とは異なる価値観を認めなければイノベーションへの挑戦はできません。対話・ないしはコーチングによる意識変革です。これが会社・組織でイノベーション活動を成功させるためのひとつの分水嶺です。

どのような活動領域であってもイノベーション活動には障害がつきものです。しかし、それは新しい価値を作り出すための「産みの苦しみ」です。イノベーションは現在の私たちが成長するためにどうしても必要なものなのです。

うつみ まさき

コーポレート・コーチ

(株)イノベーション・ラボラトリ

https://innovation-labo.com/