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リーダーシップ:あなたがハイ・パフォーマンスになるために

 

コーポレート・コーチとして多くの組織やプロジェクトのサポートをすると、色々な悩みについてご相談を承ります。 その中でも多い悩みは、「どうすれば自分のパフォーマンスを上げることができるのか?」と言うことです。

たとえば、学生時代はテストの点が良ければ「学業ではハイ・パフォーマンス(成績優秀)」でした。

ところが、社会人となると一部の人を除いて学生時代のような意味で「アタマが良い」だけではパフォーマンスを上げることができません。 そして、仕事に正解・模範解答があるとは限りません。経験を積み重ねながら、関係する多くの人たちと協力しなければ成果を出すことは難しくなります。(自分ひとりが努力するだけでは結果がついてこないのです。) もちろん、運の善し悪しも関係してくるかもしれません。

だからこそ、「どうすれば競争に勝つことができるのか?」は多く人たちを悩ませ続けるのです。

コーチングの立場ではパフォーマンスを上げるために「目標を定めること」を力説します。目標が定まらなければどのような努力・創意工夫が必要かも分かりません。

ところが、この「目標」が見つからない方は想像以上に多いのです。

たとえば、自分が担当しているプロジェクトの成功は間違いなく「やらなければならない」ことでしょう。自分の責務は「やらなければならないこと」です。 ただ、責務は自分が主体的に「やりたいこと」であるとは限りません。毎日、業務指示をこなして(従っている)いるだけかもしれません。

それでは、「やりたいこと=目的・目標」はどうすれば見つかるでしょうか?

あるプロジェクトのサブリーダー佐藤さん(仮名)は将来について悩んでいました。

工学系の大学院を修了し、研究開発よりも製品開発をしたいと思いあるメーカーに就職し、製品設計部門に配属されました。 ところが、実際の製品開発プロジェクトでは顧客や外注との調整作業が膨大に発生し、自分が思ったような活躍をすることができません。特に、人とのコミュニケーションが苦手で、プライドの高い佐藤さんは徐々にプロジェクトの中で孤立していきました。仕事がやりがいを感じることができなくなったのです。 もう一度、大学に戻ろうか。。。それとも、他社に転職しようか。。。新しい製品を開発することが自分の目標だとは思えなくなってしまいました。

佐藤さんには、目標(ターゲット)を見つけようとするのではなく「自分はどのように振る舞いたいか?」「周囲からどのように扱ってもらいたいか?」を考えてもらいました。 自分にとっての大きな目的・目標は「今まで経験したことがない成果を出す」ことになるはずです。ですから、目的・目標は具体的にイメージすることが難しいのは当たり前です。具体的にイメージ出来なければ、どのように行動すれば良いかも曖昧になってしまいます

しかし、目標を達成したときの自分の振る舞い、理想の自分の姿はイメージすることは出来るものです。 その理想的イメージを実現するためには何をすれば良いのかを考え、その考えから目標(及び、目標に至るマイルストーンとしての中間目標)を設定してもらいました。

そのようにして創り上げた理想的自己イメージは「目指すべきアイデンティティ」です。

「私は何者であるか?」が分かることで、生き方が決まります。

生き方が決まれば、モチベーションが上がり、注目するべき点も定まり、優先順位が決まります。結果として、パフォーマンスが大きく向上します。

佐藤さんはコミュニケーションやファシリテーションの技術を身につけて、新しい製品を世の中に発表し、社会に貢献するために努力を続けています。

あなたにとって「大切にしたいこと」、「大切にしていること」は何ですか?

それがあなたのアイデンティティを決めています。アイデンティティがあなたの生き方とパフォーマンスを決めます。

あなたのアイデンティティは何ですか?

 

うつみ まさき

コーポレート・コーチ

(株)イノベーション・ラボラトリ

https://innovation-labo.com/