ヒット商品は「おじさん禁止」から【マインド、イノベーション、ヒット商品】
「午後ティー×ポッキー」コラボ開発の裏側から
多くのメーカーはヒット商品を出すために努力を続けています。
たとえば、大企業では研究所での研究開発に多くのお金をかけています。
しかし、それだけではヒット商品が出なくなっています。
あなたの会社でヒット商品を出すためには、
どのような商品を作り、どのように売っていくのか
を決める流れ【意志決定プロセス】を変える必要があるかもしれません。
2月20日にキリン「午後の紅茶」とグリコ「ポッキー」のコラボレーション商品が発売されることがニュースになりました。(http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1802/14/news033.html)
キリンビバレッジと江崎グリコは、両ブランドのコラボ商品を毎年2月に発売しています。
このコラボプロジェクトのチームは、
・商品企画から中身の開発から
・量販店への販促提案まで
商品のターゲット層と重なる20~30代女性社員のみで構成しているそうです。
記事によると、コラボ商品を発売する背景には、
チョコレートの売り上げが落ちる2月後半は、
清涼飲料も苦戦する
ために、市場を盛り上げたいという思惑が一致したことがあるそうです。
両社によるプロジェクトチームはターゲット世代の女性のみで構成され、「ワクワクできる商品を“自分ごと”として考える」ことがポリシーになっているとのことです。
確かにそうあれば良いと思いますが、一般論としてそのようなプロジェクトを実行することは容易ではありません。
特に、キリンビバレッジや江崎グリコは大企業です。
大企業にはそれぞれ決まったルール・商品開発プロセスがあります。
そして、管理職(記事では「おじさん」)によるレビュー・承認と言う意志決定が存在します。
現実には、「ワクワクできる商品づくり」は容易ではないでしょう。
それを実現するために、担当者は色々と創意工夫をしたことが記事で紹介されています。
日本メーカーからヒット商品が出ない理由のひとつは意志決定プロセスに課題が存在するからです。
有望なアイディアを次々とつぶす障壁を持つ会社が存在しています。
新商品を作るためには
優秀な人材を研究所に集めて
話題になるCMを作り、販促する
ことで実現できると考えている「おじさん」は数多く存在します。
そのような「おじさん」の頭の中は、1980年代以前の先輩方が作った成功法則で占められています。
ですから口では「新しいアイディアはないのか?」と言うのですが、新しいアイディアを提案すると無意識に拒否してしまうのです。 欠点ばかりが気になります。
記事を読むと、キリンビバレッジや江崎グリコのプロジェクトのみなさんは大変に努力と工夫をしたことが分かります。
それと同時に両社の管理職のみなさんは「柔軟な考え方ができる方々」であったのでしょうか。
新しい価値観を受け入れる頭脳と感性が存在したのだと思います。
消費者・生活者に向き合って仕事をしてきた成果だと思います。
以前、ある大手家電メーカーの新規事業開発担当者がその当時にヒット商品を出していた生活者向け製品のメーカー他を何社か訪問して、ヒット商品を出す秘密を探そうとしたことがありました。
マーケティングに関わる色々な方法論などの説明を受けたそうですが、訪問先会社の担当者からは「あなたの会社では難しいのではないでしょうか」と言われたそうです。
大手家電メーカーの担当者はその意図を理解できませんでしたが、自社での実践を繰り返してやっと意味が分かったそうです。
大手家電メーカーでは、会社が成長する過程でリスクを取ることができない社風を作り上げていました。
「失敗を極端に恐れる」社風です。
それは、上司の言うとおりに仕事をする保守的な社風でもあったのです。
新しいことには挑戦できませんでした。
社会が急速に変化している以上、メーカーに限らず全ての組織は常に変化しなければなりません。
変化が止まれば、進化が止まってしまうのです。
利益を出すことができません。
会社は、ビジネスのポートフォリオとリスクマネジメントをバランス良く実現することがどうしても必要です。
それを「頭(理論として)で理解するだけではなく、ハート(マインド)で得心する」ことが成長の鍵です。
手法や方法論(Methodology)だけを学んでも組織は変わりません。
(形骸化してしまうからです)
ハート(マインド)が変わることが、行動を変えるのです。
行動が変われば成長することが可能です。
ハート(マインド)を変える試みはこれからの組織では必須です。
そのためには、最初はコミュニケーションを変えることからはじめましょう。
そうすることで、まだまだ私たちは成長が可能です。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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