家電芸人から企業の変革・成長を知る
【ヒット製品、イノベーション、リーダーシップ、コーチング】
2018年3月4日にテレビ朝日で放送されたバラエティ番組「アメトーーク」では、『春の新生活応援!家電芸人』と『鉄道ファンクラブ』と言う2つの企画が取り上げられました。
(http://www.tv-asahi.co.jp/ametalk/backnumber/0959/)
『春の新生活応援!家電芸人』では、白物家電に詳しい芸人さんたちが注目の家電15製品を紹介しました。
メーカーの協力を得ながらの企画だと思いますが、単なる宣伝とは異なり多くの人たちに製品の良さがストレートに伝わったと思います。
理想的なプロモーションの形です。
私が家電量販店に行った時にも「問い合わせが届いている」との話を耳にしました。
15製品は、海外メーカーや国内の大手家電メーカー、新興メーカーなどバランス良くピックアップされていました。
日本の大手家電メーカーでは、シャープ、Panasonic、ソニー、東芝の製品が紹介されました。
しばらく前から、
日本の家電メーカーからヒット商品がでない、
家電メーカーに創造性がない
と言われることがあります。
ところで、それは「日本人に創造性が不足しているから」なのでしょうか?
今回の「家電芸人コーナー」でも、「創造性のある新しい製品」は紹介されています。
まさに、イノベーション(革新)です。
シャープ、東芝など、高い技術力があるにも関わらず深刻な経営危機に陥った報道される家電メーカーが、元気に復活してくれるのであれば大変に素晴らしいことです。
ところで、家電メーカーの中には製品化されない「創造的な製品(技術)」は数多く存在すると言われています。
たとえばiPhoneが発売された時、会社内の会話として「ウチの会社でもできる」と話し合った携帯メーカーの技術者が何人もいたと言う都市伝説があります。
しかし、結果的には携帯電話市場において日本メーカーは海外メーカーに惨敗しました。
(グローバル市場では、特に顕著です。)
日本人には優れた創造性があります。
たとえば、浮世絵は西洋美術に大きな影響を与えました。
日本のアニメーション(ジャパニメーション)は海外でも多くのファンを獲得しました。
2017年までに日本人のノーベル賞受賞者は26人います。
(日本国籍の受賞者は23人)
ただし、これからも日本が科学技術における高い研究開発水準を維持できるとは限らないと指摘する専門家も存在します。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize2017/tokushu/tokushu_06.html
グローバル化が進むビジネスの世界で、これからはイノベーション(革新)が必要なことは明らかです。
多くの日本企業で創造性が発揮できないのは、従業員の創造性の低いからではなく「会社の意志決定や業務プロセスなどの仕組み」に課題が存在するからです。
従業員に「創造性開発」のトレーニングを受講させる会社は珍しくありません。
しかし、個人の創造性開発だけで期待したような組織的イノベーションが実現される事例を聞くことはありません。
実は、多くの人は大きな変化・革新を望みません。
デイビッド・バーカスさんは、ハーバード・ビジネス・レビューで
企業は不確実性に対処するためにイノベーションを迫られる。
しかし同時に、幹部が競争優位につながる発見を拒絶してしまう理由もまた、不確実性なのだ。
企業を生きながらえさせるはずのアイデアが、あまりにもすぐに潰されてしまう。
と述べています。(http://www.dhbr.net/articles/-/2884)
多くの日本企業は優れた人材を活かすことができず、結果的に「現状維持」を選択してしまうのです。
多くのプロフェッショナル・コーチやコンサルタント、研究者は市場変化の大きな環境での「創造性のある組織」に共通の特徴を見つけています。
それは、
・リーダーの明確なビジョン(ゴール、目的・目標)とその共有
・組織として多様性を尊重する価値観
・適切な情報共有と権限委譲
です。
スペシャリスト(各分野の専門家)が協力するプロジェクト型マネジメントが実現できるかどうかが問われます。
この場合、プロジェクトのメンバーの行動は上下関係による指示ではなく、ゴール達成のためのコミットメントがベースです。
そのように考えると、多くの伝統的大企業が持つマネジメントの特徴
・中央集権
・上意下達
・同質化
などが現在の市場ニーズに応えることが難しいことは明白でしょう。
さてそれではなぜ日本を代表する大手家電メーカーでは、創造性を発揮してヒット製品を市場に出する会社に生まれ変わることがこれほど難しいのでしょうか?
(苦悩しているのは、家電メーカーに限りません。)
それは、解決するべき課題が過去からの「成功体験」や「常識」を変えることを求めているからです。
意志決定の問題などを本質的に解決するためには、関係者のキャリア観や価値観に大きな影響があるのです。
たとえば、年功序列が当たり前であった企業では「上司はエライ人」と認識されます。
部下の人事評価も上司次第で大きく変わります。
部下も上司自身もそのように考えます。
部下は、上司の意志を忖度します。
自由に自分の意見を言うことを躊躇うかもしれません。
しかし、プロジェクト型で仕事をするならばプロジェクト内に上下関係はありません。
存在するのは、役割の違いだけです。
多くの組織人にとって、発想・思考様式(マインドセット)の変更は容易ではありません。
現在のリーダーシップの難しさは、そのような人間関係や考え方の難しさにも関係しています。
そこに組織人がコーチングを学ぶ意味、そして必要に応じてコーポレート・コーチがリーダーたちを支える意味があります。
ある意味では、人生全体を含む領域を意識するからこそ大きな変化が訪れるのです。
大きな変化が、ビジネスや組織・職場を変える(変革する)します。
だからこそ、大きな成長・発展が実現できるのです。
意識を変えることで行動が変わり、成果が変わる。
イノベーションは、そのようにして実現されるのです。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
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