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なぜ、経営者の質が落ちたのか?

 

最近は潰れるはずのない大企業の経営が傾くニュースが珍しくなくなりました。

例えば、日本の代表する製造業では三洋電機、シャープ、タカタ、東芝。

さらに、事業撤退や売却のニュースも珍しくありません。

そして、それらのニュースを解説する際には「経営者の質(Quality)」も話題になります。

海外企業に買収され、外国人経営者のもとで立ち直る会社もあることを見ると、経営者に問題があることは確かなのでしょう。

SankeiBizには

日立と東芝 ライバル2社の命運分けたトップの覚悟

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170819/bsb1708190500001-n1.htm

と言う記事も掲載されています。

ただ、なぜ質(Quality)に問題のある経営者が増えてしまったのかは検証が必要です。

大企業は有能な人材を採用します。有能な人材の中から選抜された経営者のQualityが低いとはどういうことなのでしょうか?それは組織プロセス・価値観に多くの問題を抱えている可能性が極めて高いと言うことです。 多くの会社で人材育成や人事評価が時代に合わなくなったのです。

多くの日本企業では、成功事例を模倣しながら「思考の標準化」を進めることで人材育成を図ろうとします。と言うことは、多くの組織ではある時代の成功法則に最も順応した人材が経営層に上り詰めるのです。 

標準化とは計画駆動的な効率化ですが、大きな環境変化には十分に対応できません。未来の予測が難しく、精度の高い計画を立てることができません。恐竜が死滅したように、かつて強かった組織が存続できなくなっています。ダーウィンの種の起源では自然淘汰が語られますが、まさに生存競争には生き残れないのです。

これからは、多様な人材が組織の中で活躍できる環境を作ることが重要です。

精度の高い正解を探すよりも、多様性の中から新しい選択肢を作ることで生き残る。PDCA、つまりトライアンドエラーをすることで成長を目指すことが必要です。意志決定のプロセスを成長させるのです。組織は失敗から学習できるかが問われています。失敗を隠蔽しては成長できません。

新しい組織マネジメントを追求する時が来たのです。

 

うつみ まさき

コーポレート・コーチ

(株)イノベーション・ラボラトリ