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会社・組織の改善・変革:あなたの会社・職場はどうすれば変わるのか?

多くの会社・組織の各種改善活動に関わって感じることは、経営幹部の方々はすぐに結果が出ることを期待します。そして、多くの方々は儲かること(利益が出ること)を期待します。
今の時代では、それが当たり前のことでしょう。 3ヶ月ごとに損益を管理することが当たり前になり、短期的な成果で評価されることが当たり前になりました。
当然のことながら、管理職の方々も短期的な成果、儲けを求めます。
コストダウンの競争は厳しく、特に海外の競合他社は低コストで製品を納品するかもしれません。(時に、品質的な問題を起こすリスクはありますが)
結果的に、多くのリーダーたちも時間に追われて走り回ります。
一方で、人材開発や品質向上を目指す部門の方々は辛い立場に立つこともあるようです。

公式には「人材育成は大切」、「品質が命」、「顧客満足を目指します」と言うメッセージが出たとしても、教育や品質関係の予算が最初に削減されてしまう会社も存在します。 人材や品質問題は大問題となるまでは表面化しないことも多く、危機感を持つ方は少ないのかもしれません。 

私もある組織で品質関係の審査をした際に「現状から判断して認定審査をするまでにはだいたい○○ヶ月かかります」と報告したところ「なぜそんなに時間がかかるのか?もっと早くならないのか?」と強く求められたことがあります。(内心、「品質向上が難しい組織を作ったのは誰ですか?」と言いたかったのですが、それは口にしませんでした) また、管理職メンバーから「そんなことをして儲かるのか?」と質問されることが珍しくありませんでした。(内心、「この方は多くの品質問題を出して、それに多額の費用がかかっている実感がないのだ」と驚きました)

私が関係部門のみなさんにトレーニングをする際には、たびたび「ガチョウと黄金の卵」と言う寓話をお話しします。Wikipediaには次のようにあらすじが書かれています。

『ある日農夫は飼っているガチョウが黄金の卵を産んでいるのを見つけて驚く。それからもガチョウは1日に1個ずつ黄金の卵を産み、卵を売った農夫は金持ちになった。しかし農夫は1日1個しか卵を産まないガチョウに物足りなさを感じ、きっとガチョウの腹の中には金塊が詰まっているに違いないと考えるようになる。そして欲を出した農夫はガチョウの腹を切り裂いた。ところが腹の中に金塊などなく、その上ガチョウまで死なせてしまった。』

この寓話から学ぶことは色々とありますが、私は「成果を出すためには、プロセス能力を良くしなければならない」と言うたとえ話として説明します。
プロセスとは、結果が出てくるまでの過程のことです。プロセスを創意工夫することは大切ですが、必要以上に削減すると近い将来に成果(利益)に大きなダメージを与えてしまいます。場合によっては、事業の継続も難しくなるでしょう。
プロセスには職場のコミュニケーション・信頼関係も含まれます。これからの時代では、会社への帰属意識が低い場合には、多くの優秀な人材は職場を去って行くでしょう。


それでは、「金のタマゴ」と「ガチョウ」の関係はどのように説明すると良いでしょうか?
それはは仮説を立て、小さな規模で実験をしてみれば良いのです実験結果を測定することでその会社・組織での「金のタマゴ」と「ガチョウ」の関係を測定することができます。職場の人たちが「何か良いことがありそうだ」と感じることができれば、改善・変革の動きがはじまります。 抵抗勢力は存在するかもしれませんが、未来のビジョンを説明すれば多くの方は希望を持つことができます。希望を持てることが改善・変革を進めるのです。

現代は変化することを避けて通りことはできない時代です。
改善・変革が「楽しい」と思えることが成功の鍵であることは間違いありません

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/