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儲け・品質とイノベーション(コーチング):売れる製品を作れない技術者集団の時代へ

日本のものづくりに誇りを持っている方は多いと思います。
戦後、日本は製造業の力で成長しました。 今も製造業の役割はとても大きいです。
ただし、製造部門だけではなく設計部門まで海外企業に依存することが当たり前になった会社も珍しくありません。 

一部の業種・会社では国内の技術者だけではものづくりが出来なくなっています。 

製造だけではなく、製品を企画・設計をする力が衰えています。 コーチとして多くの会社とお仕事をされていただきましたが、それらの会社での技術力の低下、つまり技術の空洞化は目を覆うばかりでした。

多くの日本メーカーは、設計部門と製造部門が協力して品質の高い製品を作り出してきました。 家族のような集団が新しい製品を作り出したのです。 
その後、最初は製造部門、その次に設計部門で海外企業の力を借りることが当たり前になりました。 

その方がコストダウンできるからです。 コストダウンのみが正義のように考える人が会社の中に増えました。 確かに、短期的にコストダウンは利益に貢献します。 しかし、その先の展望がありません。 

「もの作り大国日本なのだから、日本の技術者ならば売れるものを設計できる」と経営者は楽観的に考えていたのかもしれませんが、厳しい競争を繰り広げている製造業では技術力を強化する取り組みがなければ優秀な技術者を育成することができません。 

個人・現場に責任を丸投げした会社では技術者が育ちません。 育たないどころが、国内の技術者は「事務処理屋さん化」が進んでいます。 

一部の会社では技術の仕事よりも、予算管理や外注管理のような管理業務がメインの仕事になりつつあります。 技術者として研鑽を積むこと自体が不可能になっているのです。

国内メーカーの技術者が生き残る道が「手配師業」中心になるのであれば、優秀な手配師を育成するビジョンが必要です。 

有能な技術者はアメリカやヨーロッパ、中国などに流出しますが、それは仕方がないと諦める覚悟が必要です。 手配師に魅力を感じる人を育てなければなりません。 

技術者として成長するか、手配師として生き残るかを国内メーカーの技術者は真剣に考えるべき時です。 単に安定を求めていては新興勢力(メーカー)に駆逐される運命です。

会社が夢を提供してくれる時代が終わったと実感しているのであれば、ひとりひとりの技術者が自力で考える習慣を身につけましょう。

そのために、自分の頭で考えましょう。 1人で考えることに限界を感じるのであれば、仲間を作りましょう。 必要があれば、集中思考を支援してくれる「味方(コーチ・メンター)」を見つけましょう。

何が社会に貢献する道なのかを考えましょう。

それが儲ける製品開発につながります。
経営者や管理職を批判するだけでは儲かる製品を作ることはできません。

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
無料の個別相談をホームページから受け付けています