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こんにちは。
 プロジェクトコンサルタントの内海正樹です。
 リーダーシップコミュニケーションとパーソナル・コンサルティング(コーチング)、プロジェクトマネジメントなどを通じて、「ひと桁上の目標達成」をお手伝いしています。

多くの会社・職場のお手伝いをしていると打つ手がなく、社内で閉塞感が漂っている組織が多いことに気がつきます。

たとえば、管理職・従業員全員がまじめに働いているはずなのに
 ・会社内の人間関係が良くない
 ・部門間で対立してしまい、足を引っ張り合う
 ・結果的に売上が下がり、退職者が増える
などの声を聞くことも珍しくありません。

 このような声を聞くたびに、とても残念な気持ちでいっぱいになります。

●「人」が大切な時代

昔から、会社は「人」「もの」「金」が重要だと言われます。
 特に、今は「人」が最重要でしょう。

 「会社にとって人が重要」と言う言葉は確かに良く耳にします。
 しかし会社内で話を聞くと、人材教育や組織文化の改善に会社が力を入れていると感じている従業員は想像以上に少ないのです。

ニュースなどでは、問題を解決し、目標を達成するために最新のマーケティング法やIT・AIをはじめとする最新技術(テクノロジー)に注目します。
 〜さて、どうすればこれらを道具を使いこなすことが出来るでしょうか?〜
 それは、「人」にかかっています。

 難問を突破するためには、従業員の「能力」と「協調力」が絶対に必要です。
 だからこそ、会社のキーパーソンやリーダーには交渉術・チームビルド術が重要なのです。

 一部の会社には、今でも上意下達の文化が残っています。
 上司が命令を下し、部下がそれに従順に従うことを善とする価値観です。
 しかし、この価値観では「従業員は言われたことをするだけの指示待ち人」となってしまいます。
 これでは、会社も人も幸せなることができません。

 私はリーダーシップコミュニケーションのひとつとして「協調的交渉術」のコンサルティングやセミナーを行っています。
 ~協調的交渉術は、アメリカのコロンビア大学などで研究されたコンフリクトマネジメントの成果を交渉に応用したものです。~

 協調的交渉術の基本的なステップは、
  ・信頼関係を作り
  ・ゴールと情報を共有し
  ・納得感のあるゴールを作り、協調・協力して実行する
 です。

 協調的交渉術を活用することで、多くの社長及びリーダーのみなさんが会社や職場でV字回復を実現しています。

●交渉を失敗させる要因とは

あるプロジェクトの成功・失敗の状況を判断する「ふり返り会」に参加した際のことです。

 そのプロジェクトに最も大きな(負の)影響を与えたのは、海外ベンダーとの協力関係不調でした。
 そして、その背景には契約時に大きな判断ミスがあってことが分かりました。

 事前に相当な準備をして臨んだ契約交渉だったのですが、なぜ大きな判断ミスをしてしまったのか?

 ふり返りの結果、最も大きな原因は「心理的要因」であることが分かりました。
 早く対立を収束させたいという意識が判断ミスを招いたのです。

多くのビジネスの現場では、交渉がはじまると
 ・早く交渉を終わらせたい
 ・対立状態から解放されて、次の仕事に取りかかりたい
というプレッシャーから交渉に失敗することが珍しくありません。

 人間は合理的に意志決定できるとは限らないのです。

交渉を成功させるには何が必要でしょうか?

 ・適切な情報収集
 ・ゴールに導くための戦略
 ・合理的な計画

 などの事前準備は是非やっておきたいものです。

 ただ、現実のビジネス現場では時間も情報も制約されています。
 十分な事前準備が出来るケースは少ないでしょう。
 特に、重要な交渉であればあるほど事前準備は難しくなります。
 ~未知の要素が増えて行くからです。~

結果的に、重要な交渉の際には強いプレッシャーがかかります。
 多くの人はこのプレッシャーに慣れていません。
 その結果、「早く決着させてしまいたい」と無意識レベルからの要求を強く感じるのです。
 無意識であるため、リアルタイムでは自分が常に正しい選択をしていると錯覚してしまうのです。

 交渉の際には、相手から提案を受けた際に「なぜこのような提案をしてきたのだろうか?」と相手の立場で考え、そこから自分たちの選択をするべきなのです。
 しかし、それができずに選択を誤ってしまう事例が大変に多いのです。

 だからこそ事前の準備、特にリアルなロールプレイを重要視しなければなりません。
 無意識レベルからの強い心理的プレッシャーに負けて、交渉のゴールを「交渉を早く終結させること」に設定してはならないのです。

 プレッシャーに負けないための交渉術は当然存在します。
 そして、 (無意識レベルで)心理的な強いプレッシャーが存在することを自覚した上で準備をすることなのです。
 重要な交渉において、プレッシャーが意識化されることは、交渉を成功させるためには絶対に必要なことです。

 交渉に関わる問題は大小各種存在します。
 これらの問題を解決するために、交渉術に関わる新しいスキルや知識を手に入れることは会社と個人が成長するためにますます重要になってきています。

 

♪♪————☆☆事例☆☆————♪♪

都内の「メーカーX社」の商品企画部門をコンサルティングした際、以下のようなことがありました。

 そのメーカーX社では筐体などのハードウェアは自社で開発し、ソフトウェアは「海外ベンダーY社」から導入して製品を完成させていました。

 製品を出荷するためには、出荷試験に合格する必要があります。
 しかし出荷試験で問題が発生し、納期が間に合わなくなることが珍しくありませんでした。

 海外ベンダーY社との契約では、コスト削減を優先させ、十分な技術情報が開示されていない状態が続いていました。
 その結果、不具合改修・問題解決に時間がかかっていたのです。

 ある時、海外ベンダーY社からX社に、技術情報の開示費用をディスカウントし、新しい契約を促す提案がされました。

 ディスカウントがあったとしても新しい契約には多額の支払いが発生するため、X社内で検討会が開催されたのです。
 工場部門からは納期確保がますます難しくなっており、Y社からの技術情報の開示がどうしても必要との意見が出されていました。
 営業部門も納期確保が難しくなっている現状は問題でした。
 出荷直前の苦労から一刻も早く解放されたいと多くの関係者は考えていました。
 そこで、新しい契約をY社と交わすことを営業・工場として決定したのです。

 しかし、商品企画部門として「なぜY社からコストダウンした技術情報開示契約が提案されたのか?」が分かりませんでした。
 極めて不自然な提案に思えたのです。
 営業・工場部門も疑問に思っていましたが、早く結論を出したいとの誘惑には勝つことができなかったのです。
 大きな金額が動く契約です。
 そこで事業部門としてあえて決定を延期し、優秀な人員を投入し市場動向・技術動向などを調査することにしました。

 Y社から納品されているソフトウェアはZ社製基板上で動作するものでした。
 調査の結果、Z社は新しい基板を約1年後にリリースすることが分かりました。
 基板が新しくなれば、現在の製品は大幅にリニューアルする可能性が大きくなり、現段階でコストをかけて技術情報を開示してもらっても大きな成果にはならない可能性が高いのです。

 結果として、X社はY社との新しい契約交渉を打ち切ることにしました。
 X社はムダな多額の出費を回避できました。

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コミュニケーションの形を変えることで、(会社内の)人間関係を作り替えることが出来れば大きな成果を手に入れることができます。
 会社・職場が生き残ると言うよりも、新しく生まれ変わると言っても良いでしょう。

 コミュニケーションや交渉は、あまりにも身近なテーマです。
 身近すぎて、意識して考える機会がないのが当たり前です。
 しかし、身体に血液が流れなければ死を迎えるようにコミュニケーション不全の会社・職場は生き残ることができません。

 成功に必要なものは、多額の投資ではないのです。

**ホームページから無料の個別相談を受け付けています。
  https://innovation-labo.com/

**コミュニケーションには、外的コミュニケーションと内的コミュニケーションが存在します。
 外的コミュニケーションは、対人関係に関係し
 内的コミュニケーションは、考え方に関係します。

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内海 正樹
(うつみ まさき)
 プロジェクトコンサルタント(コーポレート・コーチ)
 工学博士
(株)イノベーション・ラボラトリ
~ひと桁上への成長のために~
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