儲け・品質とイノベーション(コーチング):好きなことしかしないリーダー
最近、プロジェクトリーダーのレベルが下がっていると言う話を耳にします。
それは本当でしょうか?
たとえばものづくりのプロジェクトの場合、技術そのものが複雑化し、プロジェクトの難易度が上がっています。 当然、プロジェクトが失敗する確率は高くなるでしょう。 ただ、「プロジェクトリーダーのレベルが下がっている」とはそう言う事情だけが原因でもなさそうです。
私はコーチとして色々なプロジェクトまたはプロジェクトリーダーのお手伝いをしています。 その過程で多くのリーダーがプロジェクトを成功させています。
一方、私の経験では確かにこの10年で
・メンバーの欠点ばかりが気になるリーダー
・メンバーの失敗を許容できないリーダー
・嫉妬深く、こだわりの強いリーダー
などが目立つようになりました。 このようなリーダーは以前から数多く存在していましたが、確かに最近はそのようなリーダーが「目立つ」のです。 これらのリーダーと対話をすると分かることは、彼らは「心の奥底では自分に自信がありません」。 失敗に過剰な恐怖心を持っているのです。
ある営業部門のマネージャーとお話をすると、「ウチの開発部門の人間は作りたいものを作っていて、売れるものを作っていない」と愚痴をこぼします。 売れるものを作れない原因を技術部門だけに押しつけることは良くないと思いますが、「作りたいものを作っている」と言うよりは「作ることができるものを作っている」と言った方が正確な場合が多いものです。
「こんなもの作っても売れない」と分かっていても、「挑戦して失敗した場合を想像すると怖くなる」のです。 「もしかすると、こんなものを作れば売れるかも」と思ってもチャレンジできません。 それでは新しく売れるものを作る挑戦ができません。
誰も好んで失敗はしません。
ただ、現在の環境は「失敗と言う経験が多くの人たちに過剰な恐怖心を植え付ける環境」であるとしたら、全くもって非生産的です。 成長を遠ざけています。
一部の天才を除き、「学ぶ」とは「失敗を次の機会に活かすこと」です。
過剰な強い恐怖心は、いつの間にか「減点主義こそ正義」とマインドコントロールされた結果です。
そのマインドコントロールを取り除くことは、「売れるものを作る人」を育てることです。
新しいものに挑戦できる人を育てるのです。
マネージャー、コーチ、メンターは協力して人を育てましょう。
コーチングはそのための技術です。
人が会社・組織を成長させ、社会の発展を実現するのです。
うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
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