Pocket

会社・職場を良くするコーチング:職場は自覚を持つ人を育成して

ある地方自治体では健康増進のために減塩運動を進めているそうです。
と言っても、簡単に効果が出るものではありません。 いくら健康のためと言っても濃い味付けの美味しさを知っている人たちがすぐに薄味料理を美味しいと思うはずがありません。 美味しい食事は魅力的です。 その魅力を手放すためには何が必要でしょうか? 色々な啓蒙活動と技術革新の両方が必要です。 そして、人の習慣が変わるためにはある程度の時間が必要です。

あるコンサルタントさんが組織改善のコンサルティングをした際に、その会社の経営者から「改善の効果が早く知りたいので、半年で成果を出してほしい」と言われたそうです。 最初、コンサルタントさんは「1.5年~2年で成果を出して行くもの」と説明したそうですが、経営者さんからは「そんなのダメダメ、すぐに成果が出ないのであれば止める」と言われたとのことでした。 

そのような時は、業務プロセスを変え、それにあわせてITステムを変え、監査を強化することで生産性を上げようとします。 マネージャー層の本気度にもよりますが、この方法であれば従業員の行動は確かに変わります。 ただし、徹底した監査による是正をしなければ従業員は「ルールの抜け道探し」をはじめたり、指示待ち族になったりなどの弊害も出るリスクがあります。 監査などは直接的に利益を生み出す直接費ではありません。 間接費が増加するなどして、利益率や生産性が向上するとは限りません。 ムリ・ムダを作り出します。

ムリ・ムダを省くことは基本です。 基本をおろそかにする組織が多いのは、失敗の歴史が蓄積ず、学習されないために、リーダーの質が低下しているのです。

 職場の生産性を上げるためには、従業員が達成感を持つ必要があります。 成果が出るまでに数年間もかかると、「やる気」がなくなってしまいます。
だからこそ業績評価制度、そして人事評価制度まで根本的に変えて、マネージャーたちが「自分たちも仕事の仕方を変える」と決心した時に本当に効果が出ます。 職場の価値観が変わると成果が出ます。

 

マネージャーの中には、「自分は変わらず、部下を変えること」ばかりに関心がある人もいます。 部下を交換可能な機械部品とどうように考えてはいけません。 そのようなマネージャーが職場を変えることはできません。 まず、自分が変わることで周囲の人たちが変わるのです。 成功を最初に実感するのは当事者・ご本人なのです。
日本の会社はマネジメント能力がないと評価されることもありますが、そのようなことはありません。 ただ、官僚主義・ビューロクラシーが職場の活力を奪っただけなのです。
中長期で成長できる会社を作ろうと自覚を持つ人たちがいることで、従業員の行動は変わります。 まずは、職場の中心的な人たちが自覚を持つことが成長の鍵となります。

人間の脳には可塑性があり、いつでも成長することができます。 しかし、成長するためには適切な時間が必要です。 人間の成長をともなわない組織の成長は存在しません。

 

 

中心メンバーがコーチング受けることで(シニア)マネージャー・経営者として成長し、コーチングを学ぶことで従業員が活性化したりした組織は「強い」です。 売上げが伸び、納期が守られ、品質が上がります。 立ち上がりの時間は必要ですが、確実な方法です。
意識が変われば、職場は良くなるのです。

 

うつみ まさき
コーポレート・コーチ
(株)イノベーション・ラボラトリ
https://innovation-labo.com/
〒170-6045 東京都豊島区東池袋3−1−1 サンシャイン60 45階
~無料の個別相談をホームページから受け付けています~