会社・職場を良くするコーチング：ピコ太郎と初音ミクに見る変革の条件？！
先日、芸人の古坂大魔王さんがピコ太郎の世界的ヒットについて初音ミクとの関連を交えて語るテレビ番組が放送されていました。
ピコ太郎は古坂大魔王さんが作り出したキャラクターで、今年来日したトランプ大統領の食事会にも参加したことで大きく話題になりました。 インターネットを媒体として評判となり、現在では世界134か国で楽曲が配信されています。 Twitterで米国の人気歌手ジャスティン・ビーバーが「おもしろい」とつぶやいたことで急激に知名度が上がりました。
初音ミクとは2007年に発売された音楽作成ソフトからはじまったムーブメントです。 多くの人たちがネットワーク上で音楽を提供し、画像や動画を自由に作られることでそのキャラクターは世界の217か国に広がり、経済効果は年間100億円以上となったバーチャル・シンガーです。 米国の人気歌手レディー・ガガのオープニングアクトに登場したことは大きな話題となりました。
番組の中では、初音ミクが大ヒットした理由として「自由に、多くの人たちがキャラクターづくりに参加することが出来た」ことが取り上げられていました。 もちろん、インターネットを通して世界に拡散されるためデリバリー(供給)の自由度は時代の変化を象徴するものでしょう。 初音ミクと同じようにピコ太郎もインターネットが存在するからこそ世界に拡散したキャラクターです。 ビードルズが世界で流行したり、坂本九さんが米国でも話題になった時代とは全く違う現象でしょう。
古坂大魔王さんは初音ミクの登場を「新しい楽器の発明」と捉えたそうです。 この感覚は非常に意味があります。 昭和のテレビ・映画音楽の作曲家として活躍し、シンセサイザーを日本で最初に活用した冨田勲さんも晩年に初音ミクとの起用した「イーハトーヴ交響曲」を作り上げています。 常に新しい表現手段を追求した冨田勲さんは初音ミクに新しく・大きな可能性を感じたのでしょう。 まさに新しい楽器(技術)が登場したのです。
ところで、古坂大魔王さんはテレビ番組の中で初音ミクの影響力の大きさを力説されていました。 確かに、初音ミクは武道館でのコンサートを大成功させ、幕張メッセで多くの観客を集めます(２万人以上と言われています)。 その多くは10代・20代の若者です。 ただ、10代・20代の若者にとって初音ミクが最もメジャーな存在なのかと言うとそのようなことはないでしょう。 若者の中にも初音ミクに違和感や否定的な感情持つ人はとても多く存在します。 まだ初音ミクは「異端」です。 レディー・ガガの存在はその意味でも大きかったのです。
個人でも、組織や社会でも変革(イノベーション)が起こる時にはそれを指示する「理論」・「技術」が必要です。 ジョン・レノンは天才ですが、エレキギターが発明されなければビートルズは登場しなかったでしょう。 そして、新しい理論や技術は既存の勢力から見れば異端な存在です。 「異端なもの」「例外的存在」を取り入れなければ変革を起こすことはできません。
異端、例外を排除しない！
これは個人や会社・組織が大きく成長するためには必須です。
成長を目指すリーダーは目標達成のために異端を受け入れる心の強さが必要です。 多くの人たちは異端な存在を排除しようとします。 自分の目に触れないところに追いやろうとします。 都合の悪いものを見なかったことにしようとします。 それでは新しい成長のタネは育たないのです。 だから、社会は停滞し、閉塞感が社会を覆います。
リーダーはもちろん知識も行動力が必要です。 そして、異端を受け入れる心の強さを持つことが成功のために必要です。 心を鍛え上げることが新しい認知を可能にし、新しい選択肢を探し出すことを可能にします。 ただ、心を鍛えようとするリーダーは少数派です。 心の弱いリーダーが言葉だけのイノベーションを叫んでも何も変えることはできず、結果的に形骸化を進めます。 周囲にはイエスマンばかりとなり、失敗の責任を誰かになすりつけることが当たり前になります。
